イーサリアムThe Merge 週間アップデート4月30日2022年

はじめに

二週間前の開発者会議ではDifficulty Bombとテストネットでのマージを4月29日が最終期限とすると決めていました.しかし今週のミーティング議事録を見てみるとどうやら状況が変わったようです.では今週のETH Core 開発者ミーティングの議事録とその様子を解説していきます.


Mainnet (Execution Layer)

メインの議題はメインネットで行う2回のシャドーフォークの内容でクライアントのバグ潰しが話し合われていたようで,概ね順調のようです.Difficulty Bombは4月29日の時点では延期は行わないということになりました.ETHのテストネットはマージ後にはGoerliとSepoliaに集約されてRinkebyとRopstenはメンテナンスされないようです(ただし他のオーガナイゼーションがメンテナンスする可能性はまだあります).

https://ethereum-magicians.org/t/og-council-post-merge-testnets/9034

あと気になった情報は,NiceNodeという簡単にETHのノード(geth)を立ち上げれるソフトのAlpha版がリリースされたことです.


PoS Consensus layer

1200万ETHがビーコンチェーンにデポジットされており,これはETH総量の10%に当たる数字です.


PoW switch off (the merge)

先週行われた2回目のメインネットシャドーフォークは全てのクライアントの組み合わせで上手くいきました.デポジット処理の問題が2つのコンセンサスレイヤーのクライアントソフトで見つかりそれはすでにパッチ済みのようです.

5月5日に3回目のメインネットでのシャドーフォークが予定されています.


セキュリティー

  • Akutar NFTs 3400万ドルが契約にロックされ、チーム資金は欠陥ロジックにより引き出せず,かつダッチオークションの払い戻しは当初契約入札でブロックされました.
  • Rari's Fuse pool #45 Uniswap v3のオラクル操作の脆弱性と流動性が低いため,400万ドルが危険にさらされました. 
  • EIP4337 アカウント抽象化仕様と参照実装のレビュー,1つの重大な問題と複数の深刻度の高い問題が発見されました.


他に気になったニュースとしては,CloudFlareが過去最大規模のHTTPSへのDDoS攻撃が行われていたことが報告されていました.このDDoS攻撃は6000台のボットネットによって行われて世界中の112カ国から発信されていたようです.CloudFlareはこの攻撃に気づきすぐに対策をとったことでなんとか乗り切ったようです.これがSTEPNや他のGameFiに影響を及ぼしたDDoS攻撃と関連があるのかはわかりませんが,Crypto系のサイトを狙った物であることは確かなようです.


まとめ

ミーティングの最後の議題でDifficulty bombの延期について話あわれていました.何人かはもう延期したらどうかと提案していましたが,この回のミーティングでは合意には至りませんでした.一番良くない影響としてはマージが順調に進まないままDifficulty bombだけ発動するとブロック生成時間がどんどん伸びていき,ETHのUI/UXが悪化します.影響は無視できないはずなので2週間後のミーティングで決定されるという結論になりました.

どうやら2回目のメインネットでのシャドーフォークが上手くいったために,次のシャドーフォークでクライアントソフトのバグが上手くパッチできれば最終的なマージの日程が決定できるのが理由でしょう.

あまりマージが遅れても,ETHの信頼性に影響してくるので開発が進んでいるのは良いことですが,早くマイニングの終了時期を示して貰いたいです.



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