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非同期ヘテロジニアス型ブロックチェーンネットワーク(Polkadot, Cosmos, Avalanche)の比較

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はじめに Bitcoinはデジタルゴールドとしての地位を確立し,Ethereumはプログラム可能な通貨の時代を切り開き暗号資産市場を今でも牽引しています.しかし,それらの第一世代ブロックチェーンネットワークは,アクティブユーザー数の増加に伴いネットワーク性能,使い勝手,エネルギー効率,分散性の面などのバランスの中でスケーリング問題に直面しています. 現在の深刻なスケーリング問題を解決するためにEthereumはPoSへの移行とShardingやレイヤー2の実装を急いでいます.重要なのはこの時期に,Cosmos, Polkadot, Avalancheという新世代のブロックチェーン・プロジェクトが相次いで立ち上げられ,優れたインフラが確立されたことです.これらのプロジェクトは,各アプリケーション専用のブロックチェーンが共存し,かつ必要なときに相互運用できる,非同期かつ異種混在型のネットワークモデルによる水平的な拡張を目指しています.これらのネットワークの目標は,今日の数十万人のアクティブユーザーへの普及ではなく,数百万人の日々のアクティブユーザーを収容できるブロックチェーンインターネットを構築し,”インターネットはユーザーが所有しコントロールする“というweb3のビジョンを実現することにあります.今回は,私が注目しているこの3つのプロジェクトが暗号資産ネットワークのパラダイムシフトでありそれらを理解するために解説していきます. 今回は以下のサイトを翻訳し参考にして作成しました. https://coinyuppie.com/parsing-cosmos-polkadot-and-avalanche-differences-in-heterogeneous-blockchain-networks/ Cosmos,Polkadot,Avalancheはいずれも,非同期異種ネットワークモデルによる水平方向の拡張を目指しています.これら3つのネットワークでは,アプリ固有のブロックチェーンが異なる仮想マシンを持ち,必要に応じて相互運用が可能です.詳細を説明する前にこれら3つの違いを端的に表した以下の図を見てください. Cosmos, Polkadot, Avalancheのネットワークトポロジー https://coinyuppie.com/wp-content/uploads...

オピニオン:web3と暗号資産の日本での政策議論

はじめに 日本では,長田町で次世代webであるweb3.0であったりとかNFTの議論が起きそれから税制改革や競争力強化について前進しそうな気配が見えてきましたが,2017年から暗号資産(ここでは仮想通貨と呼びます.この呼称は海外では一般的ではありません.)に投資してこの業界を見てきた自分からすると用語を変えただけでこうも印象が変わるのかと驚いています. ここでは,自分の考えと感じたことについて述べていきます. ブロックチェーン技術は有望でBTCには懐疑的? これは2017年頃にもよく見られた議題でした.ブロックチェーンという技術がこれからは有望で仮想通貨と呼ばれるBTCとその他はなんだか詐欺っぽいという言説です. これもただ単に上辺だけの情報をなぞってなんとなく“BTCはやばそう”で“ブロックチェーン技術”はこれから応用範囲がありそうだと一般の人たちは思ったことでしょう. でも両者がほぼ同じものであることは一般の人々にはよく理解されていません.ブロックチェーン技術単体で見た場合,技術的な観点からは冗長性がやたら高くてリソースが大量に必要な非効率なデータベース(分散型台帳)に過ぎません.PoWによるコンセンサスアルゴリズムは大量の演算リソースを消費しますし,決して効率的なシステムとはいえないでしょう.たとえセキュリティーが守られることなどをアピールしても単体ではこれほど注目されなかったはずです. BTCはP2Pネットワークを介したブロックチェーン基盤で作られたからこそ,ブロックチェーンがここまで価値がある技術だと認識されたのです.つまりブロックチェーンとBTCは同時に登場し同じぐらい重要なもので,ブロックチェーン≒BTCと言っても過言ではありません.しかしBTCは怪しいし詐欺が横行しているからやばいものだというイメージが一般大衆に定着しました(とくにCoincheckハッキング事件のあとには). 繰り返しますが, BTCはブロックチェーン技術がなければ存在していません. ブロックチェーン技術はBTCがなければこれほど発展し普及することはなかったでしょう. 日本政府が技術的なことを理解せず通貨として仮想通貨の取引を認める法律を2017年に通したために日本市場と韓国などのアジア市場が牽引する形でBTCバブルは加熱し,その後Coincheckのハッキング事件と税金面での厳し...

Uniswap 1Q 2022の概観

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 はじめに MessariからUniswap 1Q 2022のレポートが発表されました.今回はそのレポートの注目部分を引用しながら現在のUniswapエコシステムの状況を読み解いてみようと思います. もとになったレポートは以下のリンクから参照できます. https://messari.io/article/state-of-uniswap-q1-2022 レポートの要点 - 2021年第4四半期からの暗号とNFTへの関心の高まりが落ち着き,2022年第1四半期の総取引量と,それに伴う流動性プロバイダーの手数料は減少. - Uniswap on Polygonは有機的な成長を遂げ,V3の非Ethereumプラットフォームとして,稼働が最も遅いネットワークであるにもかかわらず,取引量ではトップとなった.次四半期の流動性マイニングの追加インセンティブは,引き続き成長を促進するものと思われる. - コミュニティは,CeloとGnosis Chainへのさらなる拡張のための領域を模索. - Uniswap Grants Programは,2021年末からの助成金提案が混在するWave 6で史上最大の助成金を交付. Uniswapの概要 UniswapはOptimism,Arbitrum,Polygonなどのスケーリングソリューションとともに,ETHネットワーク上のトークンの取引を促進しています.このプロトコルとDAppは,分散型取引所(DEX)のパイオニアとして知られており, まずV2においてプールされた流動性のX*Y=K一定価格曲線を一般化し,その後V3において集中流動性と時差取引手数料の機能を実現しました.この一定価格曲線であるX*Y=Kは業界の他の多くのDEXで実装されています.流動性集中モデルと多段階設定の手数料は,DEXアプリケーションの中では比較的新しくユニークな存在であり続けています(これはコピープロジェクトを防ぐために商用ライセンスを変えたことも相好しています). 簡単にまとめると、AMMは前述のアルゴリズムでバランスを取ったし菌プールにトークンをペアリングします.流動性供給者(LP)は流動性プールに資金を預け,トレーダーはトークンの出し入れを行うことで取引を行い,事実上プールと取引を行うことになります.LPは流動性を提供する代わりに,トレーダーが支払...

ACALAがWormholeとの接続を発表

はじめに 前回の記事でAcalaが目指すPolkadotにおけるDefiのハブセンターとステーブルコインaUSDの発行の仕組みなどを紹介しました.つい数日前にそのAcalaがWormholeとの接続することと今後複数のレイヤー1チェーンのトークンをサポートすることを発表しました.今回は簡単にこれからのAcalaのWormhole連携とそのリスクについて解説してみようと思います. Wormholeについて https://wormholenetwork.com/ Wormholeは複数のEVM互換レイヤー1チェーンに接続するメッセージパッシング・プロトコルです.スマートコントラクトはそのWormholeネットワークを通じてメッセージを発し,そのメッセージはターゲットとなる宛先に送られる形でクロスチェーンブリッジを形成します.このシステムは,トークンやNFTブリッジによる異なるチェーン間での転送,クロスチェーンオラクル,メッセージングアプリケーションなどのクロスチェーン通信を可能にします.4月2日現在で8つのレイヤー1チェーンへ接続を提供し約39億ドルの資産がロックされています.また同日のThe blockの報道によると独自トークンHoleを発行し25億ドル規模の評価額が付く可能性について言及されています.どうやらHoleトークンの総発行量の7.5%をプライベートセールで1 HOLE = 0.25 USDで販売し最大で2億ドルの調達を目指しているようです. https://www.theblockcrypto.com/post/140100/crypto-bridge-wormhole-seeks-2-5-billion-price-tag-in-private-token-sale AcalaがWormholeとの接続を発表 発表は数日前の3月30日に行われました.Acala Japan公式のMediumでの投稿は以下のリンクに記載されています. https://medium.com/acala-japan/acala-karura-dotsama%E3%82%92wormhole%E3%83%9E%E3%83%AB%E3%83%81%E3%83%81%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%83%E3%8...

ステーブルコインUSTのビットコイン準備金の関係性

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はじめに 前回の記事でステーブルコインにはアルゴリズム型という無担保型のものが存在し,まだ実験的なプロジェクトですがTerra NetworkによるUSTが存在していると紹介しました.最近の暗号資産ニュースを見ているとTerraがとんどでもない量のビットコインを買い込んでいることが明らかになり,それらが3月の上昇相場を牽引してきました.将来的にはサトシナカモトの保有額を超える量のビットコイン購入を計画しており,Terraが何を考えてどういったロジックでこうした動きをしているのか気になり調査してみました.ここではその調査内容とUSTの仕組みと詳細を紹介いたします.以下はDanku_r氏のツィートを参考にしました. https://twitter.com/danku_r/status/1509173544420356102 USTの発行の仕組み 最初に前置きとしてUSTを発行する場合にビットコインとLUNAどちらも担保としては扱われません.これはDAIやaUSDのように過剰担保を要求されるステーブルコインとは大きく異なっており,USTはアルゴリズムにより発行と焼却がコントロールされています. USTはシステム上のアービトラージ(裁定取引)とプロトコルのメカニズムによってUSDとのペッグを維持しています.この仕組の中でLUNAが裏付け資産として使われます. ユーザーはUSTをミント(発行)するために同じUSD相当価格のLUNAを焼却(流通から取り除いて破棄)します.逆もまた然りで,1 USTコインを焼却して1USD相当のLUNAを獲得することができます. UST発行時のLUNAとの関係性(Danku_r氏のツィートから参照) https://pbs.twimg.com/media/FPGkPCiXMAISHfz?format=png&name=900x900 したがって,USTの需要が供給を上回れば,USTはオフチェーンでトレードされてペッグを維持します.例えばUSTが1.01 USD相当になった場合を考えてみると以下のようになります. 裁定取引を行うシステムはオンチェーン上でLUNAを焼却してUSTを発行しそれをオープンマーケットで取引することで利益を得ることができます(0.01 USD). もちろん逆の場合も考えられます.USTの供給が需要を上回った場合に1U...