投稿

ラベル(ATOM)が付いた投稿を表示しています

非同期ヘテロジニアス型ブロックチェーンネットワーク(Polkadot, Cosmos, Avalanche)の比較

イメージ
はじめに Bitcoinはデジタルゴールドとしての地位を確立し,Ethereumはプログラム可能な通貨の時代を切り開き暗号資産市場を今でも牽引しています.しかし,それらの第一世代ブロックチェーンネットワークは,アクティブユーザー数の増加に伴いネットワーク性能,使い勝手,エネルギー効率,分散性の面などのバランスの中でスケーリング問題に直面しています. 現在の深刻なスケーリング問題を解決するためにEthereumはPoSへの移行とShardingやレイヤー2の実装を急いでいます.重要なのはこの時期に,Cosmos, Polkadot, Avalancheという新世代のブロックチェーン・プロジェクトが相次いで立ち上げられ,優れたインフラが確立されたことです.これらのプロジェクトは,各アプリケーション専用のブロックチェーンが共存し,かつ必要なときに相互運用できる,非同期かつ異種混在型のネットワークモデルによる水平的な拡張を目指しています.これらのネットワークの目標は,今日の数十万人のアクティブユーザーへの普及ではなく,数百万人の日々のアクティブユーザーを収容できるブロックチェーンインターネットを構築し,”インターネットはユーザーが所有しコントロールする“というweb3のビジョンを実現することにあります.今回は,私が注目しているこの3つのプロジェクトが暗号資産ネットワークのパラダイムシフトでありそれらを理解するために解説していきます. 今回は以下のサイトを翻訳し参考にして作成しました. https://coinyuppie.com/parsing-cosmos-polkadot-and-avalanche-differences-in-heterogeneous-blockchain-networks/ Cosmos,Polkadot,Avalancheはいずれも,非同期異種ネットワークモデルによる水平方向の拡張を目指しています.これら3つのネットワークでは,アプリ固有のブロックチェーンが異なる仮想マシンを持ち,必要に応じて相互運用が可能です.詳細を説明する前にこれら3つの違いを端的に表した以下の図を見てください. Cosmos, Polkadot, Avalancheのネットワークトポロジー https://coinyuppie.com/wp-content/uploads...

非同期型ブロックチェーン Cosmosのロードマップ2.0

イメージ
はじめに 前回はPolkadotについてと主なパラチェーンの紹介しました.今回は私が注目しているもう一つのプロジェクトCosmosの2022年のロードマップについて解説したいと思います. Cosmosロードマップ2.0 Cosmos Roadmap 2.0には,2023年第1四半期までに提供される予定の主要なアップデートが多数記載されています. https://hub.cosmos.network/main/roadmap/cosmos-hub-roadmap-2.0.html 2022年第3四半期のLambdaアップグレードでは,インターチェーンセキュリティのV1が導入される予定です.これによりCosmosハブがさまざまな”コンシューマー”ハブに対する”プロバイダー”チェーンとして機能し小規模なブロックチェーンがハブのセキュリティの恩恵を受けられるようになります.現在TerraやBSCのようなアプリケーションチェーンはサポートなしで独自のノードネットワークを用意し,独自のコンセンサスアルゴリズムとセキュリティを確立する必要がありました.インターチェーンセキュリティは資本力のないプロジェクトがハブチェーンからのセキュリティサポートを受けてエコシステムに参入できるようにすることで,この問題を解決します.PokadotのRelayチェーンと似たアイデアですが,C0smosの場合は,完全に独立したブロックチェーン同士の接続も行えます.おそらく独立したブロックチェーンを持つプロジェクトとCosmosハブのインターチェーンセキュリティーに接続しセキュリティーの恩恵を受ける小規模チェーンも共存するヘテロジニアス型に移行していくことを目指しているようです.ではあと一週間後に予定されているTheta アップグレードについて見ていきましょう. COSMOS Hub Thetaアップグレード 2022年4月12日に配信予定のThetaのアップグレードは以下の機能を搭載する予定です。   インターチェーンアカウント         Cosmosネットワーク参加者は、すでに異なるチェーン上のアカウント間でトークンを共有することができますが、Thetaアップグレードには、他のハブのアカウントと対話する機能(EthereumユーザーがSmart ...

なぜSolanaとBNBへ投資を行わないか?

 はじめに 前回の投稿で,今年はDeFiへ本格参入すると紹介しましたが,そこで下調べした結果,SolanaとBNBは選択肢から外したと報告しました.ではなぜ自分はこの二つに投資しない決断に至ったか思考をまとめる意味で紹介します. BNB (Binance Smart Chain)の不適格理由 私はブロックチェーン技術で最も大切な部分は分散性とセキュリティーだと考えています.これがインフラ部分を担当するレイヤー1チェーンの場合には最もコアになる部分でセキュリティー, 高い耐障害性, 耐検閲性を実現しています.これらはスケーラビリティーとトレードオフの関係にあって全てを両立することは現在の技術では不可能です.これはブロックチェーンのトリレンマとして有名で,“セキュリティー”,“分散化”,“スケーラビリティ”は同時に2つの要件までしか満たせないという理論です.ETHのレイヤー1はこのうち”分散化”と”セキュリティー”を満たすように設計されています. その点でBinanceという発行主体が存在するBNBは不適格です.なぜならプロトコルの設計や運営にはBinanceとその利用者の意見が意図していなくても優先される可能性が高いからでこれは“スケーラビリティー”と“セキュリティー”を満たしていますが”分散化”が損なわれています.もちろんEVMとの互換性を備えたBSCは数年前までなら過渡期の妥協的な産物として許容されたでしょう.しかし現在,ETHはレイヤー2技術でスケーラビリティ問題をある程度解決できる目処が立ちました.こうなればわざわざBSCを利用しなくても同じようなユーザービリティーやコストでETH上で走るDappが利用できるようになっていくことが予想されます.それならわざわざ最も重要な分散性に問題があるB S Cを使う必要ないというのが私の考えです.ある種の思想の問題でもありますが,今はまだ過渡期でありますし,BSCの運営自体が完全なD A O運営に切り替われば状況は変わるかもしれません. ちなみにXRPが不適格なのは上記の考えとほぼ一緒で,発行主体がRipple社という一つの民間企業であることが理由です. Solanaの不適格理由 昨年最も勢いがあったのはSolanaではないでしょうか.メインネットが立ち上がるとあっという間に時価総額トップ10入りしてきたので驚いた...

2022年の投資戦略(DeFi編)

イメージ
はじめに もうすでに2022年もQ1の最終月になっていますが,1 月と2月に情報収集がほぼ完了したので投資戦略が固まりました.今更の感はありますが,セキュリティー対策を徹底した上でDeFiに本格参入してみようと思います.ただし,自分の考え方に沿った形,つまりはweb3.0のインフラ部分に関係するブロックチェーンで構築されたDeFiへ投資することを決めました.具体的にはETH (Polygon L2),COSMOS, Polkadot (ACALA)へ手持ちのトークンとその一部を税金が許容できる範囲でトレードし運用する予定です. Ledger Nano X を導入 こちらは定番のハードウェアウォレットなので昔から知っていましたがオンチェーンで暗号資産を扱うためには必須アイテムなので先月末に購入して設定を終えました.きっかけは,Coinbase Wallet Appが対応したことでそのキャンペーンの一環でCoinbaseエディションを購入しました.もちろんLedgerの正規ネットストアで注文してフランスのパリ本社から発送されてきました(DHLのログが確認できて安心です).こちらもebayなどで安く売られているものもありますが、絶対購入してはいけません.何故なら,すでにシードフレーズを盗まれていると購入後に設定を行って入金すると簡単に悪意を持った相手に資産を抜かれるからです. 購入する場合には正規代理店から新品を購入するのが必須で私はそのセオリーに従いました.実際に届いて中身を確認したのが以下の写真です. 質感はなかなか高級感があって好感が持てます.尚私が購入したのは,coinbaseエディションなので,筐体にはしっかりと”coinbase”と刻印されています.付属品にはUSB type Cのケーブルが含まれていますが,念のためハードウェアウォレットを使うときは必ずこの付属ケーブルを使うようにしています(USB-Cケーブル自体に細工されている場合に備えるため).こちらはKeplerやMetamaskなどのウォレットアプリと連携させて使用します. Defi運用に使うPC環境のセキュリティー対策 Defi運用に使うPCはセキュリティーレベルが高くハッキングリスクを減らせるものが望ましいです.そうなるとまずWindows OS系はターゲットになりやすくハッカー側の攻撃バリエーシ...

オススメAltcoinと自分の保有銘柄

 自分の基本投資スタンスは主要銘柄をひたすらドルコスト平均法で購入、それを複利運用です。昨年からCOINBASEで様々な銘柄が購入できるようになってきたので少しですが、あまりメジャーで知られていないものへも投資しています。自分が今年から数年後伸びそうだと思っているアルトコインプロジェクトを紹介しておきます。 ETH(Ethereum):  Bitcoinにつぐ二番目の時価総額を誇る暗号資産です。北米ではCOINBASE で初期の頃から取り扱われていたので、それなりにメジャーで人気もあります。私のポートフォリオの大体7割ぐらいはETHで暗号資産投資を始めた時から継続的に取引所で購入+GPUマイニングしています。先日、無事最高値を更新しましたが、プロジェクト自体はものすごい野心的かつ未完成であり、開発者数、dApp数、知名度全てにおいてすでにBitcoinや他のプロジェクトを圧倒する存在になったと私は考えています。 なぜそこまで注目されるかというと以下の特徴からです; 価値の保存手段としての役割(金や銀のような希少性を持ったCommoditity的側面) プラットフォームとしての役割(暗号資産のAppleやGoogle的存在といったところ) 金融商品的な役割(Defiや担保価値を持ったことでプログラム可能な通貨というデジタル化された債権や証券的な側面)  控え目に言ってもETHの革新性は群を抜いています、人類史初と言っても良いでしょう。きっと後世の経済歴史家によって検証されること間違いないです。  大型アップデートが今後数年間に渡って控えています。あと数年経てば恐らくデファクトスタンダードで世界中で使われていると私は予想しています。  Ethereum財団のガバナンスの面でも国連と連携した難民へのID配布プロジェクトやマイニング収益の寄付をUNICEFと共同で呼びかけるなど、Common Goodを重視していることが伺えて好感が持てます。文句なしでオススメする銘柄です。 DOT, COSMOS:  DOT, COSMOS共にクロスチェーン銘柄と呼ばれる異なるブロックチェーンの相互運用性を目指した銘柄です。北米ではKrakenでのみDOTを購入することができます。私はもたもたしていたため完全に機会を逸しました(上場された時に買っておけばすでに数...