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Ethereumのマージ・アップデート、7月11日2022年

はじめに コンセンサス2022年への参加でオースティンへ出張したり,本業でのドイツ出張などが重なりブログがアップデートできていませんでしたが,独立記念日休暇で回復しやっとブログを再開する気力が湧いてきました.さてとりあえず,復帰第一段は当ブログで繰り返し取り上げているETHの大型アップデートであるThe Mergeについていです.先週までにいくつもの大きなマイルストーンをクリアしました.それでは現状どうなったかを見ていきましょう. Testnetでは無事マージが成功 Ropstenでのマージが6月8日に成功し,先週水曜日(7月6日)にはSepoliaでもPoSへの移行が完了しました.これであとはGoerliでのマージが残るだけでこのあとにはいよいよメインネットでのマージが開始されます.Goerliでのマージは今後3週間から4週間以内が予定されており,7月中には終わらせておきたいようですが,もしかしたら8月頭にずれ込むかもしれません.その間にもメインネットでのシャドーフォークが行われノードソフトのテストが行われます.先週はいくつかのSepoliaのマージ時におきたトラブルについて開発者会議で話合われていましたが,いずれもテストネット特有の現象でメインネットでは問題ないという結論のようです(いずれにせよ開発者は対策を続けるようです).次にミーティングが開催されるのが7月21日になるので,先週までは金曜日に行われる最後のミーティングになりました. Difficulty Bombの遅延が正式にリリース ブロック時間が伸びるなどの問題を引き起こしかねないので,こちらも先月の開発者会議での合意事項に従いアップデートによってDifficulty Bombの遅延がリリースされました.こちらも予想通りの結果でこれでETHマイニングは9月中まで継続できることになりました. https://thedefiant.io/ethereum-difficulty-delayed/ それにしても一部の開発者の警告によってこうやって無事UXの著しい悪化の前に対策が取られましたが,ブロックタイムが8月に20秒や30秒になっても良いと主張するのは無理があったと思います.今回はほとんどの人が賛成することで,ブロックタイムの延長は手遅れになる前にフィックスされました.ちなみに影響は先月の時点ですでに観測さ...

世界同時金融引き締めと暗号資産への影響

はじめに 皆さんもご存知の通り米国のFRBは利上げを行い同時に金融緩和政策からの脱却つまり、QT (Quantitative Tightening)に移行しました.FRBは6月1日から月475億USDを上限に,償還を迎えた国債などの再投資をやめる形で減額を始めることをすでに発表しています. 気になるところはこれが暗号資産にどういった影響を与えるかということです. 今回は簡単にQTの規模や経緯と暗号資産市場へどういう風に波及効果が及ぶのか考察していきます. 世界中の中銀はこれから年2兆USDペースでQTを進める予定 まずは日経の記事から読んでいきましょう. https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN310040R30C22A5000000/ 先程も述べたように米国は6月から月475億USD相当の償還を迎えた国債などの再投資を停止します.世界中の中央銀行も同じアクションを取るとすでに発表済みでその総額は年間2兆USD規模に及びます.今回のような世界同時かつ大規模にQTが行われるのは初の出来事です.これはコロナウィルスの感染拡大による都市封鎖の補償として各国政府が大量の給付金を国民に配った結果でもあります.また感染拡大が一旦収まり,感染のコントロールが可能な状態まで回復すると今度は鬱積していた消費が戻り急激に消費経済が加熱しました.とくに米国ではサービス業でこの傾向が顕著であったと現地に住んでいる身としてはひしひしと感じています.レストランはロックダウン期間中に閉じてしまい,そこで働いていた従業員の多くが解雇されました.政府の手厚い給付金と失業手当のサポートもあって,いざロックダウンが解除されてもそういった一度労働市場からいなくなった人々は戻ってこなかったのです.これは,様々な理由が考えられますが,引退年齢に達していた人たちは空前の資産バブルで引退資金が貯まり,コロナのパンデミックによって死を身近に感じると皆が残りの人生を自分の好きなこと,または自分の愛する人たちと過ごしたいと考えたのでしょう.これは人間として自然の流れといえます. また働き盛りの世代はロックダウン解除後も支給される政府の手厚い失業保険でいままでもらっていた給料より,失業手当のほうが多いという現象が起きました.これがサービス業で人員不足が続いた主な理由でしょう.レストラ...

イーサリアムのThe Merge進行状況 (5/28/202)

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はじめに 先週までは色々バタバタしてしまい,ETH DevOpミーティングを追えていませんでした.また今週からThe Mergeが完了するまで報告を続けたいと思っています.では今週のミーティング内容を見ていきましょう. ETH DevOpミーティング概要 6回目のメインネットでのシャドーフォークが5/31に計画されています。 https://twitter.com/abcoathup/status/1529303473493520384 RopsetenでTTDが最大値に到達したためにBeacon Chainのジェネシスブロックを生成始める前に上書きが行われるようです。ミーティングでは5月30日にビーコンチェーンをRopsten上で開始し6/8のThe Mergeへの準備を整えていきます。 https://notes.ethereum.org/@timbeiko/ropsten-ttd-override メインネットの実行レイヤー 通常の議論が終わった後に、Difficulty Bombの延期について意見を交わしていました.一番多い意見はやはり延期をすることで、2〜4ヶ月の遅延をしてはどうかと提案していました.中にはこのままでも問題ないと強弁してる人もいて結論はまとまっていません。ただし、ほとんどの人は延期に賛成なので、これから議論を継続(ほぼ延期する方向性)するけれどもE I Pを正式に立ち上げると言ってました。最初のプロポーザルでは最小値をとって2ヶ月で提案されるようです。 実装には1ヶ月ぐらいかかるのでメインネット用のクライアントのリリース(Paris)と同時に実装されると予想されています。 ちなみにこれを行わないとブロック生成時間が伸びていきU Xが悪化します。この許容値についても開発者の間でコンセンサスはないようで、人によっては30秒!でもガスフィーでカバーされるとか無茶苦茶なことを言ってました。ただ皆、U Xの悪化がもたらす弊害については過去の事例から認識しているようで,20秒までが限度であるというのが多数派のようです。 ちなみにDifficulty Bomb自体はこのままメインネット上で発動されるので,その前兆現象としてブロック生成時間の伸びはすでに観測され始めています。 そのほかはEIP-4844(プロトダンクシャーディング)やEIP-2537 (B...

イーサリアムThe Merge 週間アップデート4月30日2022年

はじめに 二週間前の開発者会議ではDifficulty Bombとテストネットでのマージを4月29日が最終期限とすると決めていました.しかし今週のミーティング議事録を見てみるとどうやら状況が変わったようです.では今週のETH Core 開発者ミーティングの議事録とその様子を解説していきます. Mainnet (Execution Layer) メインの議題はメインネットで行う2回のシャドーフォークの内容でクライアントのバグ潰しが話し合われていたようで,概ね順調のようです.Difficulty Bombは4月29日の時点では延期は行わないということになりました.ETHのテストネットはマージ後にはGoerliとSepoliaに集約されてRinkebyとRopstenはメンテナンスされないようです(ただし他のオーガナイゼーションがメンテナンスする可能性はまだあります). https://ethereum-magicians.org/t/og-council-post-merge-testnets/9034 あと気になった情報は,NiceNodeという簡単にETHのノード(geth)を立ち上げれるソフトのAlpha版がリリースされたことです. PoS Consensus layer 1200万ETHがビーコンチェーンにデポジットされており,これはETH総量の10%に当たる数字です. PoW switch off (the merge) 先週行われた2回目のメインネットシャドーフォークは全てのクライアントの組み合わせで上手くいきました.デポジット処理の問題が2つのコンセンサスレイヤーのクライアントソフトで見つかりそれはすでにパッチ済みのようです. 5月5日に3回目のメインネットでのシャドーフォークが予定されています. セキュリティー Akutar NFTs 3400万ドルが契約にロックされ、チーム資金は欠陥ロジックにより引き出せず,かつダッチオークションの払い戻しは当初契約入札でブロックされました. Rari's Fuse pool #45 Uniswap v3のオラクル操作の脆弱性と流動性が低いため,400万ドルが危険にさらされました.  EIP4337 アカウント抽象化仕様と参照実装のレビュー,1つの重大な問題と複数の深刻度の高い問題が発見されました. 他に気にな...

LidoのETHステーキングシェア

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はじめに Dune Analyticsのデータによると,リキッドステーキングプロバイダーの Lido は,Eth2 Beacon Chainにステーキングされた全ETHの29.14%を占めており,単一で最大のETHステーキングサービスとなっています.このプロトコルは,リキッドステーキングの分野の先駆者であり同分野で90%の優位性を誇っています.第2位のステーキングプロバイダーはKrakenで8.75%,次いでStaked.usで3.33%,私がMaticのステーキングで使用してるstake.fishは2.34%となっています. ETH 2 Staking Deposits  https://dune.com/hildobby/ETH2-Deposits ビーコンチェーン イーサリアム開発チームは2020年12月にBeacon Chainを立ち上げ,ネットワークのPoS(Proof of Stake)への移行に道を開き,Hodlerが初めて自分のETHをステーキングできるようにしました. しかしステイカー(ステーキング参加者)は,The Mergeと呼ばれるイーサリアムの待望のチェーンマージ後に将来のアップグレードが完了するまで,資金を引き出すことができません. このチェーンマージは,今年の第3四半期に実施される予定です.長年にわたる出金機能の欠如は,Lidoのようなリキッドステーキングプロバイダーの出現を促したと考えられます. リキッドステーキングプロバイダーは,ユーザーがETHをステーキング時にスマートコントラクトとプールへロックされるとその代替として取引可能なトークンを受け取ることを可能にし,市場で流動性を維持しながらステーキング報酬を得ることを可能にします.ソロバリデータは,ノードを実行するために少なくとも32イーサをロックする必要がありますが,これらのプラットフォームは小規模なETH Hodlerがステークにアクセスすることも可能にしています. Rocket PoolやStakehoundなどのライバルも流動的なステーキングサービスを提供していますが,Lidoはこのセクターの紛れもないリーダーとして台頭してきました。 現在,およそ3.4M ETHがLidoを通じてステークされており,そのプロトコルは51,754人のステーカー達を代表しています.Roc...

イーサリアムThe Merge 週間アップデート4月10日2022年

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はじめに 先週のETH開発者の定例会議でThe Mergeの進捗状況が報告され,今週私の記事でも紹介しました.今週も4月7日に進捗状況の報告が行われ,議事録と会議の様子ともに4月9日にアップロードされました. では,今週の開発進捗状況サマリーを見ていきましょう. コンセンサスレイヤーの開発状況 Goerliテストネットでの3回目のシャドーフォークが行われ少数のgethクライアントに影響が確認されました.問題はクリティカルなものではなかったので,予定通り来週月曜日,4月11日にメインネットでもシャドーフォークが行われます.なお,メインネット上ではクライアントソフトの同期などの基本的な機能をチェックするのでトランザクションは行わないように注意喚起が行われていました(メインネットではシャドーフォークのチェーンとはいえ送信行為を行うとETHを消費するため). 次がメインのポイントで,ついに最後のパブリックテストネットにMergeのリリースを行うか,ディフィカルティーボムの延期を決めるかの決定を4 月29日の定例ミーティングで決定すると発表されています.私の予想はディフィカルティボムの再延期ですが,まだ決定事項ではありません.おそらくU T Cの4月29日のミーティングで最終決定されます.日本時間4月30日には結果が分かるでしょう. PoWの停止に関する状況 https://clientdiversity.org/ あまり目立った議論はありませんが,再度クライアントソフトの多様性が重要なことの注意喚起が行われました.これはコンセンサスレイヤーとエクザキューションレイヤー両方で達成される必要があるとされています.ノード運営者への注意喚起なわけですが,何が言いたいかというとPoSへ切り替わることで,両方のレイヤークライアントの多様性が保たれていないと一つのクライアントがバグで停止すると一気にネットワークのバリデータがネットワークから外れてセキュリティーが低下することや,最悪クライアントのバグを悪用されてネットワーク上で自由にブロックを書き込める状況になってしまうためです.目安は一つのソフトが2/3シュアを超えないことで,大体67%のシェアを超えているとセキュリティーが保てないとされています. 現状は,Execution layerでgethのシェアが84.%を超えており,このまま...

イーサリアムのThe Mergenの進行状況

The Mergeの進行状況 先月末にGoerliネットワーク上でのシャドーフォークでMergeクライアントのテストが行われました. https://www.trustnodes.com/2022/03/24/ethereum-readies-goerli-for-proof-of-stake-merge 4月2日に行われたDev Coreのミーティングで以下のようなコメントがあったようです. “今週行われた最初のシャドウフォークでは、クライアントでタイムアウトに関連するいくつかの問題が見つかりました。2回目は、心強いことに、少しスムーズに進みました。我々は月曜日にGoerliの3回目のシャドーフォーク、そして来週後半にメインネットのシャドーフォークを計画している!"- と eth1 のコーディネータである Tim Beiko はコメントしています. つまり問題はあったが今週後半にメインネットをシャドーフォークして検証を行うということです.しかしメインネットでのフォークは実際に稼働しているイーサリアムネットワーク上なので,ちょっと予想外です. "メインネットシャドーフォークは、メインネットの条件下でThe Merge後のノードがどのように振る舞うか、大きなブロック、状態、履歴がノードの同期、安定性、パフォーマンスなどにどのように影響するかについてのデータを収集する素晴らしい方法となるでしょう "とTim Beikoはコメントしています. シャドーフォークはメインネットのブロックをミラーリングしてレプリカを作り,そのレプリカをBeacon Chain上のProof of Stake(PoS)チェーンと”会話”させるという,The Mergeの中間みたいなものです。これらはExecution Payloadと呼ばれるものです. 現在稼働中のBeaconチェーンは私が間違っていなければ,このExecution Payloadを持っていません.来週には実際に搭載される予定です. そうすることによって開発者は,Stakerだけがすべての取引承認作業を行うようになったときに,ネットワークがどのように動作するのか,より明確に理解することができます. テストネットの後、こんなに早くメインネットで行うということは、開発者はおそらくメインネットで行う十分な...

非同期型ブロックチェーン Cosmosのロードマップ2.0

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はじめに 前回はPolkadotについてと主なパラチェーンの紹介しました.今回は私が注目しているもう一つのプロジェクトCosmosの2022年のロードマップについて解説したいと思います. Cosmosロードマップ2.0 Cosmos Roadmap 2.0には,2023年第1四半期までに提供される予定の主要なアップデートが多数記載されています. https://hub.cosmos.network/main/roadmap/cosmos-hub-roadmap-2.0.html 2022年第3四半期のLambdaアップグレードでは,インターチェーンセキュリティのV1が導入される予定です.これによりCosmosハブがさまざまな”コンシューマー”ハブに対する”プロバイダー”チェーンとして機能し小規模なブロックチェーンがハブのセキュリティの恩恵を受けられるようになります.現在TerraやBSCのようなアプリケーションチェーンはサポートなしで独自のノードネットワークを用意し,独自のコンセンサスアルゴリズムとセキュリティを確立する必要がありました.インターチェーンセキュリティは資本力のないプロジェクトがハブチェーンからのセキュリティサポートを受けてエコシステムに参入できるようにすることで,この問題を解決します.PokadotのRelayチェーンと似たアイデアですが,C0smosの場合は,完全に独立したブロックチェーン同士の接続も行えます.おそらく独立したブロックチェーンを持つプロジェクトとCosmosハブのインターチェーンセキュリティーに接続しセキュリティーの恩恵を受ける小規模チェーンも共存するヘテロジニアス型に移行していくことを目指しているようです.ではあと一週間後に予定されているTheta アップグレードについて見ていきましょう. COSMOS Hub Thetaアップグレード 2022年4月12日に配信予定のThetaのアップグレードは以下の機能を搭載する予定です。   インターチェーンアカウント         Cosmosネットワーク参加者は、すでに異なるチェーン上のアカウント間でトークンを共有することができますが、Thetaアップグレードには、他のハブのアカウントと対話する機能(EthereumユーザーがSmart ...

Web3.0 のインフラ:Polkadotエコシステムの概要

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はじめに 非同期型のブロックチェーンが技術的なトレンドになってきましたが,代表的な3つのプロジェクトであるPolkadot, COSMOS, Avalancheのうち,今回は私が最も注目しているPolkadotの概要について解説してみます.Polkadotに注目したのは昨年からですが,パラチェーンオークションが始まる直前ぐらいに余剰資金をDotに投入し,今年に入ってからはAcalaへ集中的に投資しています.現在は2段目のパラチェーンも稼働を始めて現在は11個のパラチェーンが実際にPokadot上で稼働しています.まずPokadotが目指す方向性について以下の創業者Gavin Woodの言葉を紹介しておきます. 英語原文:  “The parachain model was created with the belief that the future of Web3 will involve many different types of blockchains working together. Just as the current version of the internet caters to different needs, blockchains need to be able to provide a variety of services. Parachains solve this.” – Polkadot founder Gavin Wood 日本語訳: "Web3の未来には,さまざまな種類のブロックチェーンが連携する "という信念のもと,パラチェーンモデルが生まれました.現在のインターネットがさまざまなニーズに対応しているように,ブロックチェーンもさまざまなサービスを提供できるようにする必要があります。これを解決するのがパラチェーンです." - Pollkadot創業者ギャビン・ウッド つまりはWeb3.0のインフラとして機能するために様々なアプリケーションに特化した複数のブロックチェーンを連携させる基礎基盤を提供するのがPolkadotです. では次のセクションからどういったものなのか詳細部分を見ていきましょう. Polkadotエコシステム 現状のキーポイントは以下のリストで示したような状況です. 最初の11...

ステーブルコインの種類と利用方法

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はじめに 暗号資産を始めたいけれど,そのボラタリティー(価格変動)の高さで敬遠している個人投資家も多いことでしょう.このボラタリティーの高さが初期の投機目的で暗号資産へ投資をしていた人々を惹きつけていた要因でもありますが,余剰資金を貯めて増やしたい一般の人にとってはリスクが高すぎて参入を躊躇う主な要因でもありました.ステーブルコインは暗号資産へ投資は行いたいけれどもボラタリティーのリスクを抑えたい投資家の需要に応えるものです. 一般的にステーブルコインはBTCやETHとは違い法定通貨(ほとんどの場合USD)に1:1にペッグする形で提供されるので下落局面で一時的に資金を引き上げる場面などで便利な存在です. また一般の決済に使用する場合には送信主と受信者両方とも価格が安定している方が都合が良いことが多いです.そのような理由から,暗号資産の取引や利用を活性化させる非常に重要な存在です.現在,市場には様々なステーブルコインがすでに存在しており,今回は簡単に分類とそれぞれの特徴を紹介していきます. ステーブルコインの種類 ステーブルコインにはざっくりと以下の3種類に分けられます. 法定通貨担保型 – USDT (Tether), USDC(Circle), TUSD (TrueToken), GUSD(Gemini) 暗号資産担保型 – DAI (MakerDAO), aUSD (Acala) 無担保型 – UST (Terra),TITAN(消滅しました) 簡単に表にまとめるとそれぞれ以下のような特徴があります. 法定通貨担保型 歴史上,一番最初に登場したのがUSDTでこれは発行主体はTether社になります.流通量もすごい額で現在時価総額で約10兆円規模に到達しています.裏付けになる資産はUSDと等価物となっていると説明していましたが,最近の監査結果などが公開されそのほとんどをC P (コマーシャルペーパー→社債のことです)で保有していることが報告されています.様々な噂が燻り続けており正直,実際どれだけ裏付け資産を1:1の割合で保持されているのかどうかは暗号資産界隈では長年議論され続けています. 一方で比較的,透明性があるのはUSDCでこちらはCircle社が発行を行っています.現在も定期的な監査で十分な情報開示が行われており,将来的には米国債で裏付け資産のほとんどを保有...

Polkadot基盤のDeFiハブ ACALA (ACA)とaUSDの概要解説

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はじめに 昨年末に注目を集めたPolkadotのパラチェーンオークションで記念すべき初のパラチェーンとしてオークションを勝利したのはAcalaプロジェクトです.AcalaはPolkadot基盤のDefiハブを目指すプロジェクトでステーブルコインのaUSD を発行及び流動性提供や分散型ファンドを実現しようという大変野心的なプロジェクトです.私もPolkadotには非常に注目しており,実際にAcalaのプログラムにも参加した経緯があるのでその内容も含めて今回はAcalaの紹介をしたいと思います. Acalaの特徴 名前からしてすごいですが,Acalaは不動明王のサンスクリット語表記です.Googleで検索する時は”Acala cypto”を入力してください.でないと不動明王の画像がいきなり引っかかります笑. 公式websiteは https://acala.network/ ですでにPolakadotからDOTを転送するブリッジ機能を備えたAMM型取引所のDAppであるAcala sSwapが立ち上がっています( https://apps.acala.network/ ). ちなみにKusama上でもパラチェーンを持っていて、そちらはKaruraという名前のプロジェクトになります.プロジェクトの目的はずばりPolkadot上のDefiハブになることで現在は異なるブロックチェーンのDeFiユーザーや開発者がスケーリング問題やガス代高騰などを気にせずにAcalaネットワークに移行できる環境を整備しています. ちなみにセキュリティーはPLOの仕組みによりクラウドローンで集まった大量のDOTをロックすることによって担保されており,Polkadotの強固なセキュリティー基盤を共有することで実現され得ています.そのため後ほど説明しますが、インフレーション型のトークン発行やステーキングを提供する必要がなくネイティブトークンであるACAは流通量がすでに決められており分配方法もすでに決定されています(ガバナンス投票次第ではこれから配る部分は変更される可能性あり). ETH互換のレイヤー1チェーンの仕組みとスマートコントラクト Polkadot上で動作するAcalaチェーン自体はEVM互換のスマートコントラクトに対応しており,イーサリアムとの互換性を備えています.このEVMはPolkado...

ETHの"The Merge"スケジュール予想

はじめに 皆様もニュースで見かけることが多いと思いますが,Ethereumは現在のPoWからPoSへコンセンサスアルゴリズムをマージするハードフォークが控えています.もともとのスケジュールでは2021年の12月にリリースされる予定でしたが, コンセンサスレイヤー のコーディングが終わらず,今年のQ2に延期された経緯があります. さて,私はETHに投資しており保有暗号資産の7割がETHですが,同時にETHのマイニングも行っています.今年の収益性を考える上でPoSへの切り替えはビッグイベントでその予想時期を考察してみました. The Merge ETHが立ち上がった当時からもともとPoSへ移行することは計画されていました.しかし実装は思うように進行せず,何度も実装時期が延期されてきた経緯があります.ETHがこれからさらに発展していくためにはPoSへのコンセンサス・アルゴリズムの切り替えとシャーディングの実装は非常に重要なマイルストーンになります. 昨年末ぐらいから大きな進展があって,ついに2022年Q1で最終的なコードが完成しました.私は職業プログラマーではないので内容の詳細はわかりませんが,ここからテスト環境(テストネット)で多数の一般ユーザーに使用してもらってバグがないか確認を行います.先週の金曜日に無事Kilnテストネットが立ち上がりやっと最終テストが始まった段階です. では,致命的な脆弱性は発見されていないのでしょうか? 実はすでに報告されていました.詳細は以下の論文に掲載されています. Joachim Neu et. al., “Two Attacks On Proof-of-Stake GHOST/Ethereum”, arXiv:2203.01315.  コーネル大学のグループによる報告で内容は精査していませんが,ハッキング可能な脆弱性が見つかったと3月2日に掲載されています(これはテストネットがリリースされる前).しかし,ETHの開発者の対応速度はすさまじく,この脆弱性報告がなされてから数日でパッチの実装を終えてしまいこの論文で懸念される攻撃手法はもう防止済みのようです.とりあえず最終テストネットによるテストは現在も進行中です. Kiln テストネット いままではKintsugiと呼ばわれるテストネットでしたが最終版をテストするKilnテストネッ...

2022年の投資戦略(DeFi編)

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はじめに もうすでに2022年もQ1の最終月になっていますが,1 月と2月に情報収集がほぼ完了したので投資戦略が固まりました.今更の感はありますが,セキュリティー対策を徹底した上でDeFiに本格参入してみようと思います.ただし,自分の考え方に沿った形,つまりはweb3.0のインフラ部分に関係するブロックチェーンで構築されたDeFiへ投資することを決めました.具体的にはETH (Polygon L2),COSMOS, Polkadot (ACALA)へ手持ちのトークンとその一部を税金が許容できる範囲でトレードし運用する予定です. Ledger Nano X を導入 こちらは定番のハードウェアウォレットなので昔から知っていましたがオンチェーンで暗号資産を扱うためには必須アイテムなので先月末に購入して設定を終えました.きっかけは,Coinbase Wallet Appが対応したことでそのキャンペーンの一環でCoinbaseエディションを購入しました.もちろんLedgerの正規ネットストアで注文してフランスのパリ本社から発送されてきました(DHLのログが確認できて安心です).こちらもebayなどで安く売られているものもありますが、絶対購入してはいけません.何故なら,すでにシードフレーズを盗まれていると購入後に設定を行って入金すると簡単に悪意を持った相手に資産を抜かれるからです. 購入する場合には正規代理店から新品を購入するのが必須で私はそのセオリーに従いました.実際に届いて中身を確認したのが以下の写真です. 質感はなかなか高級感があって好感が持てます.尚私が購入したのは,coinbaseエディションなので,筐体にはしっかりと”coinbase”と刻印されています.付属品にはUSB type Cのケーブルが含まれていますが,念のためハードウェアウォレットを使うときは必ずこの付属ケーブルを使うようにしています(USB-Cケーブル自体に細工されている場合に備えるため).こちらはKeplerやMetamaskなどのウォレットアプリと連携させて使用します. Defi運用に使うPC環境のセキュリティー対策 Defi運用に使うPCはセキュリティーレベルが高くハッキングリスクを減らせるものが望ましいです.そうなるとまずWindows OS系はターゲットになりやすくハッカー側の攻撃バリエーシ...

Polygon (MATIC) のステーキングとDefi体験

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はじめに 前回の記事でETHのレイヤー2を提供するPolygon (Matic)を紹介しましたが今回は実際にステーキングとDefiで運用した経験をシェアしようと思います.ご存知の通り,私は主に米国居住者むけに許認可を得ているサービスしか使っておらず,税金の申告が面倒になるので海外の大手取引所であるBinance, OKEX, Bybitは利用していません.ここでは米国居住者がMaticをUSDで購入してなるべくネットワーク手数料をかけずにPolygonネットワーク上でDefi運用できる方法を紹介します. Polygon (MATIC)のステーキング方法 まずPolygon(MATIC)をステーキングする場合には現在コストディアルなステーキングサービスは私の知る限り米国の取引所では提供されていません.そのためこの場合は,MetaMaskなど自分でプライベートキーを管理するタイプのウォレットからステーキングに参加する必要があります.もう一点注意することは,MaticのステーキングはETHメインネット上で実行されることです.つまり,Polygonネットワークのウォレットからはステーキングすることは出来ないのでERC20としてETHウォレット側にMaticを保持する必要があります. この場合,MaticはETHメインネットワーク上で送金,入金を行えば良いのでCoinbaseやKrakenなどから直接利用することが可能です.尚,ステーキングを行う時にスマートコントラクトの形で取引が行われるので,使用予定のウォレットには必要なETH (余裕を見て0.08 ETHぐらい)が保持されている必要があります. 実際の手順は以下の通りです.まず Polygon walletのページ にアクセスして自分のオンライン・ウォレットを接続してください. 次にPolygon Stakingをクリックしてステーキングを委託するValidatorを探します.ここでは,stake.fishを選択しました.ここは,f2poolの創業者が立ち上げたステーキングプールで信用度は比較的高い方だと思います(ただし判断は自己責任ですのでそこは自分で調べてください).Binanceのステーキングプールも存在してますが,commission feeは10%と割高です. Commissionがステーキングリワードからステ...

Polygon (MATIC)ネットワーク解説

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 はじめに 前回の記事でも取り上げましたがイーサリアムのメインネットはその成功の代償として 現在スケーリング問題を抱えており高騰するガス代はサービス提供者とユーザー双方にとって大きな問題になっています.2021年はそういった問題を解決するために様々なレイヤー2やサイドチェーンと呼ばれるスケーリングソリューションが普及し始めた年でもありました.その中でも昨年から成長が著しいPolygon(旧Matic)の仕組みについて今回は取り上げてみようと思います. Polygonとは? Polygon とは,イーサリアムと互換性のあるブロックチェーンや,それらを簡単に構築し相互運用するためのフレームワークの提供を目的としたプロジェクトです. Polygonの前身であるMaticは,2017年10月に立ち上がったプロジェクトで,イーサリアムのサイドチェーンであるPlasmaネットワークを使って,イーサリアムの性能向上を目指したのが始まりです.その後,2019年4月にCoinbase VenturesとZBS Capitalから45万ドルの出資を受けて,2020年6月にメインネットを立ち上げました. 2021年の2月に“イーサリアム互換ブロックチェーンのインターネット”を目指すとし,プロジェクト名をそれまでのMaticからPolygonに変更しました. PolygonはPoSのMaticネットワークをサポートする他,イーサリアムと互換性のあるレイヤー2にあたるブロックチェーンネットワークを構築・接続するためのプロトコルとフレームワークを提供します. PoSのMaticネットワークを利用した場合,ブロック承認時間は2秒未満,各サイドチェーンは1ブロックあたり最大65536トランザクションを含めることができます.このことが意味することは,取引コストを低減し10000TPS超えを実現できることです. 2021年に入りDefi, NFTの熱狂的バブルなどでイーサリアムネットワークが混雑しガス代が高騰する中,Maticはイーサリアムのサイドチェーンとしてスケーリングソリューションを提供することで注目を集め,独自トークンであるMaticの価格は大きく上昇しました. MATICの総発行量は100億で,チームとアドバイザーに20%,ネットワーク運用に12%, Polygon財団に21.9%,...

Ethereum Layer-2スケーリング解説

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今回は2022年の注目ポイントであるイーサリアムのレイヤ2を調査した内容をまとめてみました.主にEnterprise Ethereum Alliance (EEA)の ブログ記事 を翻訳して私の解釈を追加したものになります. “Scaling a $500Bn+ Ecosystem: Layer 2 and Other Ethereum Scalability Solutions and Their Current Solution Landscape” by Andreas Freund, EEA Mainnet Interest Group Member はじめに イーサリアムのメインネットは,その成功の代償として、現在、スケーリング問題を抱えておりエコシステムの成長にとって重要なボトルネックとなっています。高い取引手数料とブロックごとに許可される取引数の制限によりネットワークはいつも混雑し、イーサリアムベースのプロトコルや新興企業、その他健全なビジネスモデルを持つ様々なプロジェクトの経済性が損なわれています。イーサリアムの次期バージョンであるEth2は、PoS移行後のシャーディング実装により取引スケーラビリティを100倍に高め、取引手数料を大幅に削減することを約束していますが、その実現にはまだ12カ月以上かかる予定です。イーサリアムがこれからも世界で最も普及し、最も利用されているブロックチェーンネットワークとしてのリーダー的地位を維持したいのであれば、イーサリアムのスケーラビリティの課題へ対処するのは待ったなしの状態です. この2~3年の間に、スケーリングと取引コスト削減の課題に対応するいくつかのタイプのソリューションが登場しました。これらのソリューションに共通しているのは、イーサリアムのメインネットの外で(つまりオフチェーンで)重いトランザクション処理を様々な形態の集中型または分散型コンピューティング環境で行い、メインネットはセキュリティとデータの完全性のアンカーとして様々な形態で使用されているという点です。これらのソリューションは、レイヤー1(L1)とも呼ばれるイーサリアムメインネットの上に位置するソリューションであるため、レイヤー2(L2)と呼ばれるものです。 以下、主なスケーラビリティ・ソリューションカテゴリーの概要と、各ソリューションカテゴリーの特徴...

ポートフォリオの見直し(Polkadotへ一部切り替えます)

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 ビットコインの先物連動型のETF承認を匂わす報道が出たあと,BTC価格は6万ドルに一瞬タッチしましたが,年末から2022年年初にかけて注目すべき動きが今週結構ありました.  特に注目しているのはPolkadot(通貨名:DOT)のメインネット上での Parachainのオークション開始 で,来月から始まることがアナウンスされました。メインネットが立ち上がったのが2020年5月で今年に入ってから実験場(カナリアチェーン)であるKusama上でParachainが実装され無事稼働していますが,ついにPolkadotメインネット上でもリリースされることがアナウンスされました.1回目のオークションは11月11日に開始され、入札は11月18日で締め切られる予定です.入札期間内に不規則に決定されるオークションの終了時点で,DOTの保有量が1番多いプロジェクトがパラチェーンに選出される仕組みとなっています.  私のメイン投資先はETHですが,2年ぐらい前からCOSMOS,ZRX,OmiseGO,BATなど少し手を出していました.ご存知の通りCOSMOS(通貨名:ATOM)は先月かなり上昇しているので,それなりの含み益を得ていますし,Coinbaseのステーキングに対応している銘柄なのでこのまま様子見することにしています.残りのZRXやOmiseGoに関しては長らく低迷が続いてやっと上昇の兆しが見えてきましたが,本日保有分を全て売却してDOTを購入しました.直近でのDOTの価格ターゲットは75ドルから100ドルです.Parachainのオークションが始まるということは参加するプロジェクトはDOTの保有を増やすということで,買い圧力が今後数ヶ月は高まると予想しています.いつ売却するか決めていませんが,1DOT自体は数年以内に1000ドル以上に上昇してPolkadotがETH経済圏を補う存在になるのでは期待しています.  すでに 別記事 で紹介していますが、DOTはKrakenでステーキング可能で安定的に増えていっています(年率12%).ETHはマイニング収入とステーキング,BTCはBlockfiの利子口座の収入で徐々に増やせているので,しばらくはDOTもしくはCOSMOSを直接購入による積み立てを行なっていく予定です.  今回の上昇相場で年初の時点で、自分の勤務先の401K...