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1月, 2022の投稿を表示しています

未来予想図 203X 年のある日常

 203X年のある日 朝起きていつも通り朝食の準備に取り掛かる.いつも通りエスプレッソを飲みながらネットニュースを眺めているとBTCが市場最高値の更新を知らせるニュースが流れてきた.V R・A R技術の進歩と超レイテンシーで大容量の次世代ネットワークの普及によりリモートワークが当たり前になり会社のオフィスへ出勤するのは週に数回だ。今日は出勤日なので数年前に買ったE Vカーへ乗り込み出発する.完全自動運転に対応したE Vではオートパイロットモードに設定するとハンドルを握る必要もなく運転席に座ってもやることは車内のエンターテイメントシステムで直近のニュースと今日のスケジュールやメールの確認をしながら15分程度の通勤時間でオフィスへ到着した. 会社の駐車場では太陽電池から供給される電力でE V用の充電ステーション数台を用意されているが近所の充電ステーションに空きがあれば自分の車はそのまま自動的にその場所で充電を終えその後会社の駐車場に戻ってくる.もちろん充電料金の支払いはUSDCでも行えるが数10種類の暗号資産にも対応している.ちなみにE Vカーはインターネットに常時接続しユーザーが選択すれば停車中にB T Cのマイニングに参加することも可能だ。プロセッシングユニットの排熱はバッテリの熱交換にも利用され特に冬の時期は降雪を自動的に融雪できるのでなかなか快適だ.日常的な決済には米国政府のデジタルドルと民間主体のステーブルコインが両方使われておりクレジットカードもカード自体を持ち歩くことは少なくなってきた. 数年前から多くの米国人は退職金口座である401KやIRAに暗号資産を組み込むようになり,BitcoinやE T HのE T Fは2023年に現物スポット型がS E Cにより承認されると当たり前のように組み込まれるようになった.最近はDOTやPOLYGONなどをミックスした高利回りステーキングを配当としてもらえるE T Fも大人気だ. 勤務先ではデジタルドルかステーブルコインでの給与受け取りを選べるようになり,数年前から銀行口座とデジタルウォレットの境目はユーザーレベルでは気にならないぐらいユーザビリティーが改善され日常的に使えるようになってきた. 相変わらず国際送金では匿名での送金処理は規制さているがA Iによるブロックチェーン上の監視が簡単に行えるようになり個人や企業は

暗号資産久しぶりの暴落,Solanaは混乱の中で再びネットワーク障害

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今年は暗号資産や株の価格変動幅は大きくなると覚悟はしていましたが,FRBによるタカ派的な金融緩和の縮小と3月に早くも利上げに着手するニュース,ウクライナ危機などネガティブなニュースが重なり,暗号資産と米国株式市場両方とも大暴落が起きました.こういう時は追加購入のチャンスなので,私は久しぶりに数銘柄を買い足しましたが始めて急激な下落を経験した人達は慌てて損切りしたかもしれません(損失額にもよりますが,Tax-lossハーベスティングになるのでそれはそれで悪い選択ではありません).いくつか面白いニュースをピックアップして紹介してみます. マイニング状況 小規模で体力がないマイナーはすでに撤退を始めたようです.価格下落のショックでマイニング効率が良いGPUがいくつかebayで先月の数100ドルぐらい低い値段で取引されていました(RX5700xt Strixが685ドルで一瞬でなくなりましたが).Youtuberの情報を見る限りでは,ハワイやカルフォルニアなど電力コストが高い場所でマイニングを行なっている人達は採算割れまではいかなくても収益が悪化して撤退しようとしているようです.これは予想通りで体力が無い電力コストが高く採算性が見込めない地域からマイナーが徐々に脱落していきます.バルクでGPUが出回っても良さそうですが,数10枚単位になると個人間で取引されているようでebayに出回るのはまだ先になりそうです. Tom’s hardwareの記事 によるとRTX3090が12月20日から27日の週に比べて-9.8%ぐらい下落しており,マイニング需要が無くなってきた兆候が見られるようです.RX6900xtだけが値上がりしていますが,こちらはわざわざebayで購入しなくても店頭でいつでも購入できる状態なのに謎の値動きです.Non-lhrのGPUはまだまだ高値で取引されている印象ですが,LHRのカードはマイニングの電力効率が悪いのでこれからebayに出回ることが予想されます. Solana Networkが48時間ダウン 米国時間の1/22(土)にSolanaネットワークがまた一部の機能がダウンしました.暗号資産全体でさらなる価格下落が起きて狼狽売りが殺到したようで,以前にも起きたようなネットワーク障害が発生しました.開発元は,Botによる影響を示唆していますが,恐らくSolana

ゼロ知識証明 zkSNARKs vs zkSTARKs

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はじめに 前回の記事では,レイヤー2の種類と使用されている技術について翻訳記事を交えてざっくりと概要を説明してみました.その中でも本命だと言われているゼロ知識証明に基づく部分で気になったzk-SNARKsとzk-STARKsを解説しているブログ記事をもとに自分の理解を交えて紹介してみます.参考にした記事は,ConsenSys(Metamaskの開発元)の ブログ記事  ”Zero-Knowledge Proofs: STARKs vs SNARKs”になります. SNARKs 2012年1月、カリフォルニア大学バークレー校のAlessandro Chiesa 教授が共著で発表した論文で、彼らが初めて構築したゼロ知識証明のことを”zk-SNARK (Zero-Knowledge Succinct Non-Interactive Argument of Knowledge)”と呼びました。 zk-SNARKの安全性は、楕円曲線に依存しています。暗号技術における楕円曲線とは、楕円曲線上の離散対数問題の困難性を根拠として運用されています。 楕円曲線乱数生成器にバックドアが存在するかどうかについては大きな議論がありましたが、アルゴリズム全体としては一般に安全性が保たれていると考えられています。サイドチャネル攻撃にはいくつかの有名な脆弱性が存在していますが、いくつかの対応手法により容易に解決することができると考えられています。楕円曲線を用いた暗号は量子コンピューティングの前では無力ですが、その安全性モデルを破るために必要な量子コンピュータはまだ広く普及していませんし実用化(必要なQbit数を持ったもので自由にプログラム可能なもの)はまだ先だと言われています。 zk-SNARKは楕円曲線に基づくだけでなく、信頼済みセットアップ(Trusted setup)を必要とします。信頼済みセットアップとは、プライベート取引に必要な証明の作成に使用する鍵の初期作成イベントと、その証明の検証のことです。これらの鍵が作成される際、検証鍵とプライベート取引を送信する鍵の間に隠されたパラメータがリンクされています。このイベントでこれらの鍵を作成するために使用されたシークレットが破棄されない場合、そのシークレットを利用して偽の検証により取引を偽造し、保有者にゼロから新しいトークンを作成して取引に使用す

Ethereum Layer-2スケーリング解説

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今回は2022年の注目ポイントであるイーサリアムのレイヤ2を調査した内容をまとめてみました.主にEnterprise Ethereum Alliance (EEA)の ブログ記事 を翻訳して私の解釈を追加したものになります. “Scaling a $500Bn+ Ecosystem: Layer 2 and Other Ethereum Scalability Solutions and Their Current Solution Landscape” by Andreas Freund, EEA Mainnet Interest Group Member はじめに イーサリアムのメインネットは,その成功の代償として、現在、スケーリング問題を抱えておりエコシステムの成長にとって重要なボトルネックとなっています。高い取引手数料とブロックごとに許可される取引数の制限によりネットワークはいつも混雑し、イーサリアムベースのプロトコルや新興企業、その他健全なビジネスモデルを持つ様々なプロジェクトの経済性が損なわれています。イーサリアムの次期バージョンであるEth2は、PoS移行後のシャーディング実装により取引スケーラビリティを100倍に高め、取引手数料を大幅に削減することを約束していますが、その実現にはまだ12カ月以上かかる予定です。イーサリアムがこれからも世界で最も普及し、最も利用されているブロックチェーンネットワークとしてのリーダー的地位を維持したいのであれば、イーサリアムのスケーラビリティの課題へ対処するのは待ったなしの状態です. この2~3年の間に、スケーリングと取引コスト削減の課題に対応するいくつかのタイプのソリューションが登場しました。これらのソリューションに共通しているのは、イーサリアムのメインネットの外で(つまりオフチェーンで)重いトランザクション処理を様々な形態の集中型または分散型コンピューティング環境で行い、メインネットはセキュリティとデータの完全性のアンカーとして様々な形態で使用されているという点です。これらのソリューションは、レイヤー1(L1)とも呼ばれるイーサリアムメインネットの上に位置するソリューションであるため、レイヤー2(L2)と呼ばれるものです。 以下、主なスケーラビリティ・ソリューションカテゴリーの概要と、各ソリューションカテゴリーの特徴

2021年 BlockfiのBIA口座による利子収入まとめ

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 はじめに 前回は,2021年のマイニング収入を紹介しました.今回は,Blockfiからの総収入を紹介しようと思います.こちらも最終的なものではなく,税金申告用の書類が届くのを待っている状態なので暫定値になります. 2021年の暗号資産の利子収入 簡単に全データを読み込んで計算を行なってみました.結果は以下の通りです. まずトータルの利子収入は5774.1 USD (約67万円)となりました.上のデータから分かると思いますが,今年前半は順調に収入が増加していますが,5月以降は大きく落ち込んでいます.これは,Blockfiによって利率変更が行われたためで,私のように口座残高が多い人たちはかなり影響を受けたはずです.強気相場でロングポジションを取る人たちが増えたので,ステーブルコインの方が有利な規約に現在も変更されています.ただ2022年には何かしらの変更がまたアナウンスされるかもしれません. いずれにせよ昨年の実績の約2倍の収入になりました.尚Blockfiの払い出しは色々なオプションが選べますが,昨年はBTCでの払い出し設定にしていました.そのためBTCの直接購入は2020年以降ほとんど行っていません.12月からは,クレジットカードの特典として利用額の1.5%から3.5%はBTCで支払われているので,今年はそちらも加えてBTCもしくはETHの保有残高を増やす予定です. 2022年の予定 Blockfi自体はセキュリティーもしっかりしており成長も見込めると思うのですが,現在はS E Cやいくつかの州政府の規制当局から未登録証券の販売で訴えられている状態です.恐らく罰金の支払い命令ぐらいで和解すると予想していますが,今の利子率規約のままなら,E T Hに関しては全てETH2.0のステーキングに移行するかもしれません.BTCに関しては相場次第で一部を売却,ステーブルコインへ変換した後にクレジットカード特典を利用して有利な利子率で維持しつつ下落相場入り後に徐々に買い戻していく予定です.税金の問題はありますが,そちらは2017年にすでに経験済みなので,手元の現金でなんとかなるかなと思っています(納税は2023年Q1になるので).  まとめ 昨年はBlockfiのBIA口座を開いてから最も良い年になりました.2022年は予想通り波乱の幕開けでETHもかなり暴落しました.ただ現状

2021年マイニング収益総括

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 はじめに あっという間に2021年の年末,2022年の年明けを迎えました.個人的には昨年は暗号資産投資を2017年に始めてから2回目の強気相場入りを経験し,細々と続けていたマイニング機器の増強を積極的に行なった年でした.新年の抱負などこれから考えているところですが,まずは税金申告などの関係で,昨年のマイニング収益の暫定値を計算してみました. 2021年の年間マイニング収益 暫定値ですので,まだ正確ではありませんが,簡単に全データを読み込んで計算を行なってみました.結果は以下の通りです. トータルのマイニング収益は9926.3 USD (約114万円)となりました.上のデータから分かると思いますが,今年前半は順調に収益が増加してますが,夏から秋にかけて大きく落ち込んでいます.これは,5月にETHが最初のピークを迎えた後に急落したためと,単純にマイニングの熱と気温の上昇のために一台サブマシンを停止していたためです. 12月に収益が急激に伸びているように見えるのはハッシュレートを追加機材で増強したのと,単純に払い出しのタイミング がたまたま集中したためです. ここではCPUマイニング分を表示していませんが,そちらは手動でXMRのマイニングプールからウォレットへ払い出されたタイミングとその日の終値で集計してみました.結果はマイニングしたモネロの総量は2.98 XMRでトータル収益は713.8 USDになりました.そちらを合わせると合計で10640.1 USD (約123万円)でした. 昨年からの成長率は約10倍(去年は細々と掘っていたので),昨年から購入した機材のコスト分は回収してさらに利益が出る状態で終えることができました. 尚,まだ集計していませんが,Blockfi,Kraken, Coinbaseでステーキングしている分の収入はここに反映されていません.CoinbaseでロックアップしたETH2.0はステーキングの支払いがまだロックされているため米国の税法上で収入と見なされないのはラッキーでした(ただ冷静に考えてみるとこれは当たり前ですよね).Blockfiの利息収入は余裕で600ドル超えているので1099-NECが今年は送られてくるはずですが,オンラインで閲覧可能になるのは2月頃になりそうです. 2022年の暗号資産マイニングはどうなる? 個人マイナーの場合はET