Monero (XMR)が大型アップデートを7月に行う予定

はじめに

久しぶりにXMR周りのニュースを紹介します.ご存じの通り私はCPUによるXMRマイニングを行っています.昨年から獲得したXMRはすべてHODLしており,売却していません(税金の申告はきちんと行っています).

さて,ここ数週間なぜかXMRが他の暗号資産と違った値動きを見せており記事執筆時点で1XMR = 270 USDまで上昇してきました.なぜだろうと少し調べて見たところどうやらメジャーアップデートが発表されていたようです.


XMRハードフォークを決定

Monero(XMR)の開発者がすでに伝えたように,7月16日,Moneroネットワークはブロック高2,668,888でメインネットのハードフォークを開始するためのコミュニティコンセンサスを可決しました.今回のハードフォークでは,チェーンのリング署名サイズを11から16に引き上げ,ウォレットのスキャン時間を短縮するために出力にビュータグを追加し,Bulletproofsを導入し,手数料の変更を実施する予定です.


リング署名の数を上げることは,トランザクションがより大きな匿名性を持つようにし,トランザクションのソースをリバースエンジニアリングすることを難しくすることを意味します.ある開発者は,その匿名取引の出力公開鍵を導き出す際に,ビュータグによってネットワークスキャン時間を最大40%短縮できると指摘しています.Moneroの最大ブロックサイズは,32倍ではなく,年間14倍で成長するように変更が承認されました(手数料の価値に影響します).最後に,ゼロ知識証明システムであるBulletproofsが,Moneroのレンジ証明に使用されることになります.この機能により、ブロックチェーン上の暗号化と検証が高速化されることになります.


コインテレグラフの記事で以前,最近の市場の混乱の中で,ファミリーファンドや個人投資家がヘッジとしてXMRを保有するケースが増えているようで,プライバシーコインが急騰していると報じていました.プライバシーコインの話題は,暗号資産コミュニティの間で議論を呼んでいます.取引中の匿名性をより確実にする機能を指摘する声もある一方,XMRを使った不正取引や過激派グループによる受け入れの疑惑について懸念の声もあります.昨年,Krakenは規制当局の圧力を理由に,英国の顧客に対するXMRの上場を廃止しました.


まとめ

XMRのマイニングは初期の頃はGPUで行われていましたが,マイニングの分散化と民主化を目指す開発方針からGPUではマイニング効率の悪いPoWのハッシュアルゴリズムであるRandomXに変更された経緯があります.それによってCPUマイニングが現在の主流となっており,私の知る限りではASIC開発も行われていないはずです.

今後もその姿勢を変更するつもりはないようなので,これからもCPUマイナー達がXMRネットワークをサポートしていくのでしょう.匿名性を重視した暗号資産なので他のパブリックブロックチェーンと違ってネイティブに取引記録の隱蔽が可能です.こう聞くと悪いことのように思うかもしれませんが,すべての銀行残高が公開されていないようにユーザー側は政府の要請がなければ自分のトークン保有量を公開する法的義務は存在しません.匿名性というのはこれからブロックチェーン経済がマスマーケットで成功するためには必要不可欠な要素でもあるのです.もちろん租税逃れなどその匿名性機能を悪用する人たちが存在し,米国政府はChainanalysisにXMRの取引記録追跡ツールの作成を依頼したとどこかで見かけた記憶があります.今回のハードフォークの目的はさらなる匿名性の強化とネットワークパフォーマンスの強化が目的のようです.

個人的には直接購入することは予定していませんが,非常に面白いエコシステムを有しているのでこれからもマイニングを継続しそのまま手に入れたXMRはHODLしていく予定です.ただ最高値更新が今年にあればまた考え直すかもしれませんが.


コメント

  1. こんばんは。
    モネロマイニングについて、P2Poolへの移行予定はありますか?

    私事ですが、Web3.0への関心が高まり、ポルカドットを購入してしまいました。
    円を仮想通貨に替えたのは初めてな上、理解が浅いので、徐々に理解してステーキングにも参加できればと思います。
    ファンダメンタルズ上、現在の時価約2兆円が高いのか安いのか分かりません。
    銀行口座を持たない、また政治が不安定な国に暮らす多くの人々のインフラにれることを期待しています。

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  2. いつもコメントありがとうございます。P2Pool把握してませんでした。マイニングプールの分散化とは面白い発想ですね。これから調べてみます。

    日本円でもPolkadotを購入可能になったようでよかったです。確かKrakenJapanが日本でもステーキングを代行していた記憶があります。私はAcalaに転送してaUSDの担保にして運用しています。Acalaのブリッジは一方通行でまだ出金できない状態ですが。。。他にもいろいろ稼働始めてますので自分の気に入ったパラチェーンがあったら参加してみてください。

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  3. 他のマイニングプールに対してMineXMRの比率が高いのは何故でしょうかね。3月以降、51%越えの危機は落ち着いたと見て良いのか、素人には分かりません。

    ウェブ3について、いつも参考にさせていただいています。
    株式投資家目線の疑問なのですが、コスモス、ポルカドット、アバランチは、プルーフ・オブ・ステークということなので、株式同様に議決権行使による経営関与ができる仕組みを備えている、と考えても良いのでしょうか。

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    1. MineXMRのシェアが高い理由はわかりませんがハッシュレートの少しでもシェアの高いマイニングプールにマイナーが集結してしまうのはこれからの課題ですね。私はずっとSupportXMRを使っています。さてガバナンスの件ですが、COSMOSを例に出すとオンチェーンウォレット(Keplar)に少しでもバランスがあれば投票することが可能です。コミュニティーメンバが提案を作成してそれにYes, No, Abstain(棄権)を投票するので株主の議決権行使ににています。多分他のチェーンも同様ですが、そこらへんもそのうちレビューしてみたら面白いかもしれませんね。私はOSMOSISでよく上場銘柄や新規LPの提案があったときに投票しています。

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