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2月, 2021の投稿を表示しています

COINBASEが上場申請の中で独自トークンに言及

先日少し触れましたが、Coinbaseの S-1  Formが、ナスダックへの直接上場に向けて公開されました。その中には、将来的に取引所トークンを発行する可能性があることを示唆する内容が含まれていたそうです。 The Blockの解説記事 によると同報告書の68ページでは、リスク開示の一環として、Coinbaseは「事業の成長を支えるため」に追加資本を調達する可能性があると述べています。そのために、同社は "顧客報酬やロイヤルティプログラム "に結びつけることができるブロックチェーン・トークンの形をとることができる新株を発行する可能性が検討されているようです。 リスク開示のセクションで取引所トークンについて言及されていることは、Coinbaseがそのような具体的計画を持っていることを意味するものではありません。しかし、この項目が含まれていることは、ある程度の検討が内部で行われていることを示唆しています。また、FTXやBinance、Bitfinexといった他の競合取引所が追求してきた分野にCoinbaseが関心を持っていることを示しています。 取引所トークンは通常、トレーダーに取引手数料の割引を提供し、プラットフォームを使ってもらうインセンティブを与えます。証券としてどういった扱いになるかはこれまでも議論されてきました。 また、CoinbaseがKeystone Capitalという証券会社を買収したことも注目に値するでしょう。元Coinbase社員のアダム・ホワイト氏(現在はBakktの社長)はツイートの中で、Coinbaseが取引所トークンを作るのか?という疑問を投げかけました。 "これに注目し、他の取引所がどのように反応するかを見守るのは興味深いことだろう”とホワイト氏はツイートしています。 Coinbaseはこの件に関するThe Blockの問い合わせにコメントを拒否しているようです(まあ上場を控えた会社なら利益相反になるので当たり前ですね)。 恐らくSTOによるトークン販売を計画しているのでしょうが、米国証券法のルールにのっとるために適格投資家に限ってプリセールが行われるのではないかと予想しています(上場企業の場合はこれも回避可能?これはよくわかりません)。 発行後は他のトークン類と同様に一般販売が行われる可能性はありますが、

Krakenが新たに資金調達計画を発表*

The Blockの報道によると暗号資産取引所大手のKrakenが新たに企業価値100億ドル超を目指して資金調達計画を発表したようです。Bloombergの報道によると、Fidelity、Tribe Capital、General Atlanticが中心となってファンドレイズを行うようです。 契約はまだ最終段階に至ってませんが、十分な需要があれば恐らくこの資金を獲得できればKrakenの評価額は200億ドル超になる可能性もあるようです*。 木曜日には競合相手のCoinbaseが直接上場のためにSー1フォームによる申請をSECに提出しており、NASDAQにティッカーシンボル”COIN”として上場されることが発表されたばかりです。 今回のこの資金調達の発表は暗号資産取引所が潜在的に大きな資金需要があることを示唆しており、昨年からのビットコインの価格上昇と相まった成長が伺えます。昨年のCOINBASEの純収入は11億ドルであり、2019年から2倍に成長していました。さらに2020年の純利益は+3.2億ドルを記録(2019年は3000万ドルのマイナス)しており今年はさらなる成長が見込めそうです。 COINBASEの上場はビッグニュースですし、IPOではなく直接上場というのは好感が持てます。SECにSー1が受理されてから審査が終わるのはすぐだと思うので、COINBASEの株式も今年は取得しようと考えています。 * ”2021年2月27日に記事の誤訳部分を訂正”

Defiセクターの取引高は史上最高を記録

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  KrakenでETHがフラッシュクラッシュを起こすなど大荒れの暗号資産市場ですが、3月は恐らく調整入りしたようです。ただまだ長期の移動平均線は下回っていないので、これはトレンド転換ではなく上昇中の適正な調整と思われます(現状では)。マイニングログを見ていると下落時にものすごいプレミアムを払って取引を行っている様子が確認されました。これは保有ポジションを解消しようとして、コールドウォレットから取引所へ送金し慌てて売った人たちの影響も含まれているかもしれません(私はマイニング報酬が2倍ぐらい跳ね上がったので動じませんが)。  2017年を経験してる身としてはこんな調整は日常茶飯事だったので、下落幅には注目しない方が良いと思います(フィナボッチリトレースメントのサポートラインを割るかの方が重要)。最近のニュースを見ているとDefiセクターの躍進が目覚ましいです。ETHの価格上昇を牽引しているのはDefiで流動性を提供している投資家の資金が分散型取引所にロックされているためでもありICOのバブルとは違った現象が生じています。 Dune Analyticsのデータを見ると1月と2月の取引高は昨年比を見ると成長の凄まじさがわかります。 https://duneanalytics.com/queries/4424/8622 最初のQ1で昨年の実績を超えるのは確実ですが、どこまで伸びるのか注目しています。 The Blockの記事によると昨日時点ではUniswapが総収益の43.6%を占めており、20.9%がSushiSwap、15.9%がCompoundにいっているようです。Balancerを除くほぼ全ての銘柄で記録的な収益を上げており、注目度の高さが伺えます。 ETHのスケーリングは今後も最大の課題ですが、レイヤー2を利用した取引所が徐々にですが、リリースされてきています。分散型デリバティブ取引所dYdXは水曜日、同社の無期限契約がEthereum Layer-2スケーリングソリューションStarkWare上で取引可能になったと発表しています。こちらはZK-rollupを採用したようでついに本格的なレイヤー2の普及が始まりそうです。 ちなみにZKロールアップを採用することで中央集権型の取引所と手数料はほぼ同水準まで抑え込めるようです。まだ使ったことはありませんが、POS移行

ETHマイニング TeamRedMiner設定方法

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 先日は、汎用的に使えるPhoenixマイナーを紹介しましたが、ここではAMD専用のマイニングカーネルを備えたTeamRedMinerを紹介します。 TeamRedMiner 最近、AMD系のカードを使っている人たちの間で良く使われているソフトウェアです。かなり突っ込んだ最適化を行っていてマイニング速度の最適化だけでなく電力最適化カーネルも搭載しています。 自動調整機能も備わっている上にエラーが少ないので、AMD系のマイナーはこちらへ移動してきているようです。 さて、機能の最大の特徴は、最新のNaviも含めて、全てのAMDビデオカードアーキテクチャに最適化されたカーネルが用意されていることです。 Aモード、Bモードと呼ばれていますが、評判通り安定性はかなり良い印象を受けています。ただしAMDのドライバーとの相性問題が頻繁に生じているのでアップデートは頻繁にフォローした方が良いです。 私の環境では、 version 0.8.0とRadeon Software 21.1.1でRX5700xtの一部のハッシュレートが突然落ちるという謎現象に遭遇しました。これは、TeamRedMinerをv0.8.1に更新したら解決しました。人によっては古いAMDドライバの方がハッシュレートが向上すると報告してますが、こういうドライバ周りのトラブルが頻発するとWin10が壊れるので、私は一度安定化したらあまり触らないようにしています(実際、Radeon Vegaが認識されず、Win10が壊れて、一度システムを完全クリーンインストールしました) さて、設定方法は簡単で、ETHアドレスとマイニングリグID、マイニングプールを設定するだけです。以下に例を示します。 teamredminer.exe -a ethash -o stratum+tcp://us1.ethermine.org:4444 -u "Ethアドレス".rig1 -p x --watchdog_script --auto_tune=SCAN --enable_compute -uオプションで"ETHアドレス"."rig name"のフォーマットでリグの名前とETHアドレスを指定します。このソフトはstratumでアクセスするように設定されているので、マイニングプール指

ETH mining and proposal EIP-1559

 Ethereumのマイナーにとって現在の状況は最高ですが、プラットフォームを利用するユーザーにとっては手数料高騰が大きな問題となっていました。現在の価格上昇と相まって単純な送金Jobだけで普通に15ドルぐらい相当のETHを支払わないとまともに処理してもらえない状況がしばらく続いています。これは主にETHがDefiに使用されており、活発なイールドファーミング活動の結果、ネットワークの手数料が徐々に上昇してきたことが一つの原因です。 もちろんこのままでは他のdAppがまともに動作できないので、プラットフォーム全体の発展のためにはある種の阻害要因になっているのが現状です。 そんな中、ETHの開発者は、手数料システムを改善するEIPー1559(EIPはEthereum Improvement Proposalの略)が提案されており、今週にコミュニティーによる投票が行われ承認されれば早くて7月に実装されるようです。 EIPー1559とは 現在の取引手数料格高騰の原因は、ETHの手数料算定がオークション形式を採用しているからです。イールドファーミングで大きな利益をあげている大口のユーザーはこのオークション形式を利用して、プレミアムを払い自分の取引を優先的に処理してもらおうとします。そうなると一般ユーザーは太刀打ちできないので彼らの落札価格に応じた高い手数料を払うしか取引を成立させる方法がなくなるのです。 EIP-1559はこの方法を原則的に、基礎手数料を払えばOKなように改善する案です。 具体的には、手数料をバーン(焼却)し、マイナーには現在のオークション方式の手数料分は支払われず、基礎手数料+チップのみがマイナーの報酬になるようです。 この方式のメリットは、ETHの価値が高まることです。これはBTCでもマイニングの半減期により証明されていますが、供給量が減少していけば希少性が高まり、結果としてETHの価格が上昇することになります。これはETH保有者にとっては大きなメリットでしょう。 さらにスケーリングの改善にも寄与すると開発者は主張しています。具体的には ArbitrumとOptimismを助けることでスケーリングへ対処します。 Arbitrumはオフチェーン取引を実行することで、毎秒500件以上の高速取引を可能にするソリューションです。 Optimismはネットワーク混雑

ETHマイニング Phoenix minerの設定方法

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 以前のETHマイニング記事は情報が古いため最新のマイニングソフトの設定方法をここで簡単に説明しておきます。現在、Claymore's Dual Minerは開発が終了しており、DAGファイルの互換性の問題で特殊なソフトで変換処理をしないともうマイニングは不可能です。私は、その前から徐々にPhoenixマイナーを使い始めました。 Phoenix Miner 以下のサイトもしくはBitcoin TalkなどでMEGAというプラットフォームでファイル共有されています。最新版は、5.5c (RC)で細かなバグがあるので常に最新版に更新しておくことを推奨します。 https://phoenixminer.org/ 私は試したことありませんが、4GBのGPUでのマイニングにも対応しているので、古いカードが手元にある場合は試してみても良いかもしれません。このソフトはAMD、NVIDIA両方に対応しており、同時にマイニングすることも可能です(ただ安定性は悪いです)。 基礎的設定方法 ETH WalletのアドレスをまずはMetaMaskなどで用意してください。そのアドレスにマイニング報酬が支払われます。次にマイニングプールを選択します。私は、 Ethermine を利用しています。 次に最新版のPhoenix MinerをダウンロードしてZIPファイルをインストールするフォルダに展開します。この時、一時的にウィルス検知はオフにし一番最初の実行時に例外を設定してください(たいていの場合、ウィルスと判断されて検疫されます) ここまで無事終わった後に、ETHのBatファイルを編集します。 PhoenixMiner.exe -pool us1.ethermine.org:4444 -wal "Walletアドレス" -worker rig1 -pass x -coin eth WalletアドレスはMetaMaskなどで生成した0xから始まるデータです。そのほかはそのままで大丈夫ですが、-coinオプションでethを明示してあげた方が良いです(これはマイニングプール側の設定変化に対応するため)。 まず上記のBATファイルで無事実行できることを確かめてください。注意点は、PowerShellを管理者モードで起動することです。一番最初だけの時がほとんどですが、シス

ETH mining benchmark on Radeon Pro Duo (Polaris)

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 現在、GPUを手に入れようとしても一般向けのものはほとんど手に入らない状態が続いています。そんな中、プロ用のGPUは比較的安価でまだ売られていることに気づいてebayで色々物色していたのですが、先週Radeon Pro Duo (Polaris)が安値で売られているところを偶然見かけ、無事入手することに成功しました。 このカードはGPUが2個搭載されたモデルで、メモリはなんと32GB!!のECC対応GDDR5、処理能力はVegaより劣りますが、Polaris(RX580などと同等)コアが採用されています。性能というかほぼWX7100を2枚使っているのと同等ですが、将来的な応用範囲が広がるので、32GBの大容量はかなり魅力的です。値段も700ドル後半と非常にリーズナブルでした。 さて肝心のETHのベンチマーク結果は、何も最適化を行わない状態で、大体48MH/s (24 MH/s X 2)となかなかの性能が出せました。何よりECCの恩恵とブロワー形のファンにより安定的に動作可能なようです。しばらくテストを行った後、本格的に新しいマイニングRigを組む予定ですが、もう一枚手に入らないか今探しているところです。 ちなみに北米ではWX7100の中古がかなりebayに出回っており、個人的にはRX580よりもプロ用のWX7100を購入しようかなと考えています(通常用途のGPUの値段が上がりすぎて、プロ用の方が場合によっては安い状況が生まれています) 大容量のECCメモリを積んだこういう類のGPUは大規模計算にはもってこいなので、この機会に購入できて満足です。使用しない時間はマイニングで勝手に投資資金を回収してくれるという状況は私みたいなプログラミングもやるエンジニアにとっては大変ありがたい状況です。 とりあえず、ケースが到着するまではこのままオープンエアのテストベンチでマイニングさせておこうと考えています。

ETHマイニングの始め方ー2021年版

 以前に、書いた記事がだいぶ古くなってきたので、これからマイニングを始めようと思っている方には不向きな内容になっていました。ここで、もう一度現状どうやってマイニングを始めたら良いか解説しておきます。 ハードウェア用件 6GBから8GB以上のメモリを積んでいるGPUを用意してください。具体的にはAMD系ならRX5700, RX5700xt、RX580、Radeon Pro DUO(Polaris)、Vega64、Vega56になってきます。NVIDIA系はRTX3000シリーズが圧倒的なパフォーマンスでオススメですが、入手は現在ほぼ無理です(プレミアムを払うなら別ですが)。 あとは2GPU構成ぐらいならEATXの広めのケースでなんとかなります。3枚以上のハイエンドカードを動かすには、オープンエアーのマイニングフレームや、4Uサーバーケースに複数ファンを取り付けたものが必要になります。 GPUマイニングの場合はCPU性能はいらないので一番安いCPUで十分らしいです。ただ私はそういった安価なCPUを試したことはありません。メインメモリもそれほど重要ではありませんが、16GBぐらい積んでおいてもそれほどコストはかかりません。 マイニングソフト(ETH) ここではETHマイニングを取り上げるので、現状どういった選択肢があるかだけ簡単にリストアップすると以下のようになります。 Claymore's dual miner   -> もう現在保守が行われておらず、特殊なプログラムと組み合わせないとマイニングは不可能になりました。 Phoenix Miner -> これがClaymore's マイナーの代わりとなります。設定も非常に似ていて使いやすいです。専用サイトからやGITHUBからダウンロードできます。https://phoenixminer.org/ TeamRed Miner -> AMD系専用のマイニングソフトです。現在これが最も最適化が行われており、マイニングカーネルはかなり省電力に設計されています(ハッシュ速度値はPhoenixより低いかもしれないがStaleシェアの発生確率が低いので実質のマイニング速度はこちらが上です)。こちらはGITHUBからダウンロードできます。https://github.com/todxx/teamredm

Coinbase announcement about ETH2.0 staking

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 ついにCoinbaseからETH2.0のステーキングをサポートすることの正式なアナウンスが発表されました。すでにBeacon chainが稼働して、32ETH以上デポジットすればメインネット上で直接参加可能でしたが、個人で始めるにはややリスクがあったこともあって自分は参加してませんでした。今回のアナウンスによりコールドストレージに保存してある私のETHはそのままこのプランに参加できる見込みです。  これからは法律上の扱いに依存しますが、本格的にこのサービスが開始されると、すでに似たようなサービスを提供している競合と競争が始まると思います。ちなみにすでにWait listに登録することができます。予定している年利率は7.5%のようです。私はすでに登録を済ませました。 Blockfiは6%ぐらいの利率ですので、このサービスが本格的に始まれば税金のルールによりますが、また COINBASEに保有ETHのほとんどを移すかもしれません。 次に規制当局に期待しているのは Staking rewardの税法上の指針を示して欲しいことです。現在ですとロックされた資産にかかるStaking rewardは利子収入や雑収入と見做されて支払われた時点での時価で税金がかかります。この解釈ですと、大量のETHをステーキングするとかなりの税金が発生する事態になり一時的に現金で支払うというあまりありがたくない状況が生じます。ブラックロックなどが暗号資産投資に参加してきたので、ロビー活動を通して税法上の規制の強化とルールの確立が行われると期待しています。 最後は保険制度の整備ですが、こちらは優先度的にあまり高くないのかもしれません。何故ならコストディーサービスを提供する取引所や銀行は必ず保険に加入しているからです。エンドユーザーの権利がどこまで保証されるか分かりませんが、日本やカナダなどの例を見ていると仮にハッキングや不測の事態が起こってもエンドユーザーの資産保護の観点からほぼ100%の保証が行われると考えています(ただ民事訴訟は必要ですが)。

何故暗号資産のマイニングをするか

 ここでは私が何故、暗号資産マイニングを行うか簡単に説明しようと思います。 はじめに マイニングとは、Proof of Work (POW)を採用する暗号資産で取引処理時に取引の承認作業を行うことです。具体的には公開暗号方式におけるハッシュ関数を用いた計算作業であり、様々な方式が採用されています。例えば、BITCOINではSHAー256というハッシュ関数が使われていて処理上は ブロックチェーン末尾のブロックのハッシュ値や新しい取引情報である32ビットの任意値”ナンス”の3つをSHA-256に入力して、特定のハッシュ値が算出されるまで計算を繰り返します。現在はSHAー256は専用のLSIであるASICが開発済みで、GPUやCPUなどの一般的なハードウェアでマイニングを行っても採算は取れません。 一方で、ETHなどまだまだGPUマイニングが主流な暗号資産も複数存在します。中にはGPUを使いづらくするハードフォークを行いわざわざ非効率的なCPUマイニングを選択、ブロックチェーンの保守を行うマイナーの民主化を目指すプロジェクトも存在しています(XMRが代表格ですが、以前からBitzenyなどではCPUマイニングが主流でした)。 結論から言えば、マイニングとは上記のように計算資源を提供する見返りに、取引手数料やブロックリワードと呼ばれる暗号資産による支払いを受けることができます。 何故マイニングを行うのか? 一番の理由は技術的な興味からです。GPGPUによるHPC分野の発展は目覚ましく私も使用して見たかったのですが、初期投資の問題で見送ってきた過去があります。しかし、GPUやCPUの余っている計算資源を提供して、報酬がえられるのであれば、導入は容易になります。そして、2017年の中頃から保有機材を拡張していくことでETHのマイニングをはじめました。 ETHを選んだ理由は、当時を経験した人ならわかると思いますが、収益性が抜群に良かったこと、ICOブームによる急激な価格上昇により資産価値がどんどん伸びていたからです(当時5ドルぐらいからたった数ヶ月で400ドルぐらいまで上昇しました)。 北米は電気代が安いこともあり、キャッシュフローが常にプラスでしたので投資としても適正な選択だったと今でも考えています。ご存知の通り、ETHの価格上昇はGPU市場を揺るがすまで発展しましたが、201

保有マイニング機材(2)CPUマイニング編

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前回は保有するGPUマイニングの機材を紹介しましたが、今回はCPUマイニングの機材を紹介します。 Ryzen 9 3900x CPUマイニングで色々なアルゴリズムのマイニングが可能ですが、私は採算性と開発エコシステムの持続性があるかを重視してXMR(monero)をマイニングしています。元々はGPUマイニングの方が効率が良かったのですが、ASICマイナーに対抗する形で、様々なハードフォークが行われ現在はCPUマイニングに向いているRadomXアルゴリズムが採用されています。 何故かわかりませんが、AMD系のCPUが昔からハッシュレートが良い傾向があり、現在ではRyzenでのマイニングがほとんどだと思います。特にRyzen 9 3900はバランスが良いので、XMRマイナーの界隈では定番と言えるCPUです。 主にメモリ周りの速度が一番マイニングに効いてくるのでなるべく速度の速いDDR4メモリを載せてあげる必要があります。付属のヒートシンクはあまり熱容量がありませんが、オーバークロックを行わなければ十分な性能を発揮してくれます。 ハッシュレートはXMRのRandomXで12kH/sぐらいでメモリ周りをオーバークロックするとさらに伸ばすことは可能なようです。ただマイニングの場合は24時間稼働させるので、ECC無しのメモリでオーバークロックというのはあまり安定性が良くない気もします。 Ryzen 9 5900x 入手困難な状況が続いてますが、こちらはパーツショップにたまたま入荷されたのを手に入れることができました。ゲーム性能も申し分ない上に、プログラムの動作速度は大きく向上したので、Zen3の威力を感じています。しかしXMRマイニングではあまりIPC向上の恩恵は受けられず、ハッシュレートは前世代の3900xとほぼ一緒です。 この世代からハイエンドのAMD CPUには付属CPUクーラはなくなりました。私は簡易水冷ヘッドを使用しています。パッケージは恐ろしくチープになってますが、チップの性能は良いので仕方ないですね。ただ最近はDOA(到着時故障率)が異常に高いという報告もされています。100%検査しているはずなのでそんなことあるのと思いましたが、私のLotははずれではありませんでした。 Ryzen 9 5950x これはメインマシンに搭載してプログラミングや動画編集などを行わない

何故暗号資産へ投資を行うのかその意味するところ

 何故暗号資産へ投資を行うのか? その答えは人それぞれだと思います。ここでは現在での私の考えを述べます。 何故ブロックチェーンが重要か? 投資活動というのは本来社会への何かしらの貢献するものでなければなりません(私の哲学では)。貨幣というのは価値の交換手段でありそれをただ集めるのは本来の目的にはなりません。ではブロックチェーン技術を使った暗号資産へ投資するのは何かしら社会にインパクトを与えるのでしょうか?私の答えは”Yes"です。 キーワードはweb3.0、次世代のインターネットです。詳しくはバイナンスアカデミーで取り上げられているので一度読んでみることをオススメします。 https://academy.binance.com/ja/articles/the-evolution-of-the-internet-web-3-0-explained 人間社会がこのような高度な文明を構築するに至ったホモサピエンスの能力は、サビエンス全史でYubal Noah Harariが指摘したように存在しないものをあたかも実在するように感じる想像力(イマジネーション、認知革命の結果)と ストーリー (フィクションと作者は表現してました)を他者と共有できる力です。これによって数10人の集団から数万、場合によっては数億の人々が協力して一つのプロジェクトや目標に向かって共同分担作業ができるようになりました。 その事実は興味深いことに様々な人々が指摘しており、WWWの発明者であるTim Berners-Lee氏もそのことを理解していたのでしょう。同氏は1999年、”Semantic Web"というアイデアを提唱し以下のように語っていました: ”私には夢があります。それはコンピューターがウェブ上のあらゆるデータを分析できるようになることです。データとは、コンテンツやリンクを初めとする人間とコンピューターのやりとりです。これを可能にするセマンティックWebは、まだ実現できていません。しかし今後セマンティックWebが誕生すれば、貿易や役所の手続きから普段の生活まで、日常の仕組みが機械同士の対話によって実行されるようになるでしょう” 人間の活動には様々な価値の交換手段を必要とします。皆さんも日々、様々なものを購入して生活してますよね(食料品や家賃を支払ったり)。普段の買い物で、いちいち物物

KrakenのStakingを始めてみた(Part1)

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 前回紹介したように私は基本的にしばらくはホールドして1年以上立って利益がある程度出ていたら売却を考える投資方針なので、短期的な売買はやっていません。しかし、そのまま保持しておくのももったいないので、Staking や利息がもらえる口座に預けています。 そんな中、前回の記事執筆で見つけてKrakenのStakingサービスが魅力的だったので本日から始めてみました。私が注目したのは、これから伸びる可能性があり高いAPYが魅了的なPolkadot(DOT)です。 実際やろうとしてみると若干まどろっこしい手順を踏まないと行けなかったので参考までに載せておきます。 まず、Krakenの口座を開き本人確認書類をオンラインで提出します。確か一年ぐらい前にこの手続きをしましたが、一般的な免許証のコピーをweb page上で"submit"してからwebカメラで写真を撮る必要がありました(その時、何かメッセージを書いた紙を用意しろと言われた記憶があります)。 面倒ですが、これは現在ほとんどの取引所で行われている本人確認の一貫です。申請が終わると審査が始まり、早くて一日ぐらいで認証されたメールが届きます。 さて、ここから本題のDOTをどうやって購入したかです。Krakenは銀行送金はwire transferのみでACHなどは利用できません。そこで私は以下の手順で送金しました。 CoinbaseにUSDをデポジットし、それを全てUSDCに変換 数日間待ち、外部口座へ送金可能にする KrakenでUSDCの口座アドレスを生成 上記の KrakenのUSDC口座へCoinbaseから送金 無事受け取ったことを確認して、次はトレード画面でUSDCからUSDTへ”Convert” USDTからDOTへ”Convert" そして、DOTをStakingタブでstakeしました。数分立つとStaking  が始まりました。 年利は12%なので、そこそこのリスクでかなりの高利回りを達成できます。ただしKrakenの Stakingサービスはon-chainなので、何かメインのブロックチェーンで起こった場合に損害を被る可能性はゼロではありません。ただし、ある程度の規模感があるプロジェクトであれば流動性が十分に有りコード監査を受けているのでそれほど心配はしていません(ただ

暗号資産の運用(Stakingや複利運用可能な口座)

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 私の基本投資スタンスは長期投資ですので、2018年のバブル相場のピーク以外では基本的に売却やトレードは行っていません。理由は単純に本業があるので、あまり頻繁に相場を気にしたく無いこと、米国の税法上、キャピタルゲイン税は長期保有のほうが有利なことなどです。  ただ、そのまま自分のコールドウォレットに保有資産を眠らせてももったいないので、取引所が提供するステーキングサービスや、サードパーティーによる高利回りの預金として複利運用しています。ここでは自分の利用しているもしくは利用予定のサービスを紹介します。 Coinbase 初期の頃からお世話になっている暗号資産取引所です。北米でのシェアは圧倒的で、各種規制への遵守と、SEC、CFTCなどの政府機関とも良好な関係をたもっています(IRSとは訴訟沙汰になりましたが、そちらはユーザーの口座情報の問題なのでスイス銀行と似たケースです) 昨年よりステーキングサービスが提供されだして,私はATOMを預けてます。年率大体5%ぐらいです。ETH2.0のデプロイに伴いこれからETHのステーキングサービスを展開予定だそうですが、まだ正式なアナウンスはされていません。 余談ですが、近々、直接上場でNASDAQにリスティングされるようです。暗号資産そのものとは直接関係してませんが、上場時は株式も取得しようかなと計画中です。 Blockfi こちらは2年前ぐらいから利用しています。最初はやや警戒していましたが、身元情報がはっきりと公開データとして存在していること、Geminiのコストディーサービスを基盤にしていることから安全と判断してBTC、ETH、LTCをここに一部預けています。 基本ビジネスモデルは暗号資産を機関投資家に貸し出してその手数料や利率で利益を挙げているようです。利率は変動性ではありますが、現在、BTCで年率6.5%, LTCで6.5%、ETHで5%  もらえています。ステーブルコインやPaxfulのゴールドも預けられ、特にステーブルコインの年利は8.6%ですが、そちらはトレード用の入金のみ行っています。 今年はサービスの拡充を行うようで、すでにBTCでリワードがもらえるクレジットカードの発行が予定されています。詳細は別記事で後ほど紹介しようと思います。ちなみに保有暗号資産の額に応じて現金をステーブルコインで借入れることもできます

オススメAltcoinと自分の保有銘柄

 自分の基本投資スタンスは主要銘柄をひたすらドルコスト平均法で購入、それを複利運用です。昨年からCOINBASEで様々な銘柄が購入できるようになってきたので少しですが、あまりメジャーで知られていないものへも投資しています。自分が今年から数年後伸びそうだと思っているアルトコインプロジェクトを紹介しておきます。 ETH(Ethereum):  Bitcoinにつぐ二番目の時価総額を誇る暗号資産です。北米ではCOINBASE で初期の頃から取り扱われていたので、それなりにメジャーで人気もあります。私のポートフォリオの大体7割ぐらいはETHで暗号資産投資を始めた時から継続的に取引所で購入+GPUマイニングしています。先日、無事最高値を更新しましたが、プロジェクト自体はものすごい野心的かつ未完成であり、開発者数、dApp数、知名度全てにおいてすでにBitcoinや他のプロジェクトを圧倒する存在になったと私は考えています。 なぜそこまで注目されるかというと以下の特徴からです; 価値の保存手段としての役割(金や銀のような希少性を持ったCommoditity的側面) プラットフォームとしての役割(暗号資産のAppleやGoogle的存在といったところ) 金融商品的な役割(Defiや担保価値を持ったことでプログラム可能な通貨というデジタル化された債権や証券的な側面)  控え目に言ってもETHの革新性は群を抜いています、人類史初と言っても良いでしょう。きっと後世の経済歴史家によって検証されること間違いないです。  大型アップデートが今後数年間に渡って控えています。あと数年経てば恐らくデファクトスタンダードで世界中で使われていると私は予想しています。  Ethereum財団のガバナンスの面でも国連と連携した難民へのID配布プロジェクトやマイニング収益の寄付をUNICEFと共同で呼びかけるなど、Common Goodを重視していることが伺えて好感が持てます。文句なしでオススメする銘柄です。 DOT, COSMOS:  DOT, COSMOS共にクロスチェーン銘柄と呼ばれる異なるブロックチェーンの相互運用性を目指した銘柄です。北米ではKrakenでのみDOTを購入することができます。私はもたもたしていたため完全に機会を逸しました(上場された時に買っておけばすでに数倍)。現在投資しているのはC

保有マイニングシステムの紹介(1)

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 昨年の夏ごろよりビットコインの価格上昇に連動する形で、アルトコインの価格上昇と需要が高まっていますが、特にDEFIの影響を受けてEthereumのマイニング収益が急速に回復してきました。ブログ休止期間中は自分のポートフォーリオ拡充とともにマイニングも継続して行っていました。ここで、自分の所有機材を紹介しようと思います。 AMD系(Team Red)のマイニング機材  私がマイニングしているのは主にEthereumですが、GPUマイニングを行う場合にAMDが比較的効率がよかったこともあり、Polaris、Navi系のカードを複数所有しています。  最初はRX580を使用していましたが、Vega64へ切り替えようとしてHBM2の熱対策に苦戦し、今は Navi系のRX5700xtとPolaris系のRX580を使ってマイニングマシンを組んで運用しています。 ASUS TUF RX5700xt OC 8GB - 昨年、夏ごろにVega64 を売却し購入しました。2枚保有しています。現在では恐ろしいプレミアムがついていてebayでも見かけることはほとんどありません。最適化にもよりますが、ETHのハッシュレートが最大60MH/s +低消費電力(120Wぐらい?)が特徴です。最新のマイニングソフトと組み合わせるとさらに最適化できるようですが、安定的に動かすにはGDDR6の動作温度に注意する必要があります(それでもHBM2よりはマネージし易いです) RX580 OC 8GB - 初期の頃に購入したカードが複数ありいまだ現役で稼働しています。新品で購入した AsusのStrixは特に優秀で特に問題なく安定的に3年間運用しています。最適化を行うと消費電力はマイニング時でも100Wを切るので複数枚束ねても余裕を持って放熱処理できます。マイニング速度はETHで大体25 MH/sから30 MH/sぐらい消費電力80Wから100Wで安定的に使用できます。定番中の定番のカードでゲーミング性能もそこそこ高いのでかなりオススメです。ちなみに保守性も優れていて、中古で購入したASUS Dual RX580 OCはファンを破損させたものの、保守部品がすぐに取り寄せることができて、自分で交換も簡単でした。機械部品のみ消耗品ですので、うまく保守点検を行えば数年間は問題なく使用できると思います。 NVID

XRPの上場廃止と予見されていたSECによる訴追

  もうすでにニュースで知られていることですが、SECがRipple社を未登録証券を販売したとして訴訟を起こしています。  私の以前の記事で紹介したことがタイミングは遅かったものの現実化したようです。私自身はCoinbaseはXRPの上場を行わないと予想してましたが、実際にはRipple社とユーザーからの強い希望に押し切られる形で一時的な上場を許可してしまいました。  投資家保護の観点からCoinbaseの当時の決断はこれから精査されるべきですが、残念ながらその判断は完全に間違っていたことがこれから証明されようとしています。  日本ではSBI証券などでXRPを基盤に取引所を運営するなど、あり得ない状態ですが、どう考えてもXRPがこれから主流になる可能性はありません(断言できます)。  すでに購入してしまった方々は早々に損切りをするか投機的な上昇局面で利益確定することを強く推奨します(投資は自己責任ですが)。  繰り返しますが、XRPに将来性は全くありません。国際送金の流動性問題であれば現在の時価総額ですでに十分解決可能ですし、それらの需要はこれから次々と生まれる新しい分散型金融のプロジェクトで置き換え可能です。  Ripple社のSECへの対応はさらに状況を悪化させており、おそらく訴訟はSECが勝訴するでしょう。Ripple社はこれから米国から離れるようですが、Dubaiやシンガポールあたりに国外逃避するしか存続の道はないでしょう。  今回のSECによる訴訟の結果として多くの投資家が損害を被ることになりましたが、Ripple社は自分たちが行ったことの償いをこれから精算させられることになるでしょう。

2021年 Blog 再始動

 2018年の中頃を最後に完全にブログ更新をサボっていましたが、2021年の始まりにあたり自分の暗号資産への投資とマイニングで得た経験をまとめておくために再始動することにしました。  幸い、全く更新していないにも関わらず毎日コンスタントに数件のアクセスがあったことは嬉しく思います。休止期間中には暗号資産全体の長い価格下落局面を経験しその後に続く一時的な価格上昇などを横目に見ながらひたすら余剰資金で買い増しを行いそれを複利で運用するという、ある意味投資の王道で現在の価格上昇局面をじっと我慢強く待っていました。  これから週に数回投稿を行い、現在の私の考えや、 ETHやXMRのマイニングの状況説明、これからの暗号資産全般の展望などを紹介していこうと思っています。