はじめに
今年の2月ぐらいからGPUの値段は徐々に下がる気配を見せていましたが,さらに対中関税の品目リストからGPUが外れたことに伴いASUSが4月1日から最大25%をユーザーへ還元することを発表していました.
そのアナウンスはだいぶ市場価格に影響を及ぼしたようで正常化へさらに近づいてきた印象です.ではTomshardwareの記事と実際にパーツショップで売られている市場価格を比較して北米での現在のGPU価格情報を紹介します.
GPUの3月のebay販売実績
Tomshardwareの記事によると3月もebayで販売されているGPUの価格は下落基調が続いています.以下が掲載されていたデータになります.
https://www.tomshardware.com/news/gpu-pricing-index
注意点:RTX3070, RTX3060TI, RTX3080の価格はLHRとNon-LHRの両方が混ざった価格になります.
3月のebayでの平均落札価格を見ると,私はRX6800xtとRTX3070-non-lhrを平均価格より100USD安く仕入れたことがわかります.個人マイニング需要が消滅したのは明らかで転売屋と思われるリスティングとしてRX6800新品未開封の投げ売りが散見されるようになってきました.今回の価格高騰で小銭を稼ごうとした挙げ句,一部はebayのリスティングとプロセッシング料金を考えたら転売目的で売買していた人たちはまもなく赤字で売ることになりそうです(それでも現金化できるだけマシかもしれませんが).
さてRX6800などは上記の価格からマイナス100USD付近で推移しているので,RX5700xtを探すよりそちらを購入して入れ替えようかと悩んでいるところです.
ハイエンド向けではRTX3090はどこの小売店でも購入可能になっており,2000ドルを切るのが相場となってきました.
3月のebayでの販売実績集計(Turing世代とNavi世代)を以下のテーブルで示します.
古い世代のカードもマイニング効率的にはかなり高いものが存在しピーク時には高値で取引されていましたが,かなり市況は落ち着いてきました.今はまだRX5700xtが高値で取引されている状態で時々安いものが出ていますが,すぐ売り切れる状態です.RX6800の値段がだいぶ下がってきたので今の状況ならわざわざRX5700xtの中古を買うより,新品のRX6800のリファレンスデザインを購入するほうがお得でしょう.
私もよく利用するMicrocenterの在庫状況はかなり改善していて,ほぼすべてのNvidiaとAMDのGPUモデルが購入可能になっています.特に今日の入荷状況を見ていたら,なんとASUS TUF-RTX3080-10GB-V2 (LHR)が849.99ドルで販売されていました.日本円で約10万円,ASUSのSKUでこの値段は見たことありません.リファレンスモデルが確か699ドルだったのでサードパーティーモデルでこの値段はほぼMSRPに戻ったことを意味しています.日本で価格.comで最安値とされているもので14万円を超えて取引されているのでかなり安くなった印象です(それでも10万円を超えると思うと高いですが).ちなみにこの販売されていたRTX3080は流石に値段が安かったために久しぶりに数時間で売り切れていました.やはり1000ドルが一つの心理的ハードルで待ち構えていた人が大勢いたようです.
ゲーマーにとっては朗報でしょう.我々,暗号資産マイナーにとっても最後の買い替えチャンスです.私はあと一枚だけ古いカードを入れ替えたいので,RX6800とRX5700xtのebayリスティングを定期的にチェックしています.
まとめ
暗号資産マイニングの需要は落ち着き,転売屋によるBotを使った買い漁りも在庫状況からみてほぼなくなったことでGPU価格は一気に下がってきました.もともと対中制裁関税や流通の混乱で2割増しぐらいになっていた希望小売価格も正常化してきて全体的に値段を押し下げることに繋がりました.
RTX3090TIも北米では2000ドルぐらいで販売されているので,それが価格上限として定着してきているようです.RTX3090の販売価格はもうちょっと下がることを期待していましたが,そちらはもともとの製造ロット数が少ないことと,これから新規製造分が入ってこないことを考慮すると今の価格あたりでしばらく取引されそうです.
ゲーム用途でハイエンドを購入する人はRTX3090TIでマイニングもやりたい人たちは引き続きRTX3090を購入していくのかなと思います.Deep Learning用途で複数枚使う場合はおそらくRTX3090を2枚から3枚使う構成でしょうか.そういう人たちは大学の研究費で購入するので,正規ルートで手に入る状況になったことで購入はしやすくなったはずです.
半年後にRTX4000シリーズが発売される予定を考えると,買い控えが起きてさらに値段が下がる可能性もあります.今年の夏にはまともな値段でGPUが購入できるようになっていくことが期待できますね.
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