何故暗号資産のマイニングをするか

 ここでは私が何故、暗号資産マイニングを行うか簡単に説明しようと思います。

はじめに

マイニングとは、Proof of Work (POW)を採用する暗号資産で取引処理時に取引の承認作業を行うことです。具体的には公開暗号方式におけるハッシュ関数を用いた計算作業であり、様々な方式が採用されています。例えば、BITCOINではSHAー256というハッシュ関数が使われていて処理上はブロックチェーン末尾のブロックのハッシュ値や新しい取引情報である32ビットの任意値”ナンス”の3つをSHA-256に入力して、特定のハッシュ値が算出されるまで計算を繰り返します。現在はSHAー256は専用のLSIであるASICが開発済みで、GPUやCPUなどの一般的なハードウェアでマイニングを行っても採算は取れません。

一方で、ETHなどまだまだGPUマイニングが主流な暗号資産も複数存在します。中にはGPUを使いづらくするハードフォークを行いわざわざ非効率的なCPUマイニングを選択、ブロックチェーンの保守を行うマイナーの民主化を目指すプロジェクトも存在しています(XMRが代表格ですが、以前からBitzenyなどではCPUマイニングが主流でした)。

結論から言えば、マイニングとは上記のように計算資源を提供する見返りに、取引手数料やブロックリワードと呼ばれる暗号資産による支払いを受けることができます。

何故マイニングを行うのか?

一番の理由は技術的な興味からです。GPGPUによるHPC分野の発展は目覚ましく私も使用して見たかったのですが、初期投資の問題で見送ってきた過去があります。しかし、GPUやCPUの余っている計算資源を提供して、報酬がえられるのであれば、導入は容易になります。そして、2017年の中頃から保有機材を拡張していくことでETHのマイニングをはじめました。

ETHを選んだ理由は、当時を経験した人ならわかると思いますが、収益性が抜群に良かったこと、ICOブームによる急激な価格上昇により資産価値がどんどん伸びていたからです(当時5ドルぐらいからたった数ヶ月で400ドルぐらいまで上昇しました)。

北米は電気代が安いこともあり、キャッシュフローが常にプラスでしたので投資としても適正な選択だったと今でも考えています。ご存知の通り、ETHの価格上昇はGPU市場を揺るがすまで発展しましたが、2018年の1月に約1400ドルのピーク後急激に下落しマイニングブームは一気に鎮静化しました。しかし、マイナーの撤退が続く中私は幸い本業の稼ぎが安定的に伸びていたので、マイニング機材を売却する状況には陥らず、とりあえず放置プレイでマイニングを続けました(こういう時はチャートを見ない方が良いです)。
この経験から気づいたのは、マイニングは少なからずリスクヘッジになることです。暗号資産はまだ新しいアセットクラスで、ボラタリティーが非常に大きいです。価格の浮き沈みに一喜一憂するよりも長期的な視点に立って技術的な理解を深め、かつキャッシュフローは例え1ドルでもプラスなら続けていくのが良いのではないでしょうか。そして私は現在の価格上昇で最大限の恩恵を受けることができました。

一部の機材は、家族の苦情により一時停止に追い込まれました(これが一番大変ですw)が最近は理解を示してくれて再度資金を投入して設備投資を継続しています。

まとめ

この投稿では、私が何故マイニングを行うのか紹介しました。マイニングはある種の苦行みたいなものです笑。継続すると暗号資産への理解も深まり、かつ高性能のGPUマシンが手に入ります。ただ現在はGPU価格が異常な高騰を示しているので、実店舗で適正価格で購入できる人やすでに高性能GPUを保有している人にはオススメしたいと思います。EbayやAmazonで数100ドルのプレミアムを払うとROIが悪化し投資を回収するのに時間がかかります。特に初めて参加する人は手持ちの機材を活用して小規模から始めることをオススメします。

最後に、マイニングも自己責任です。GPUを24時間365日稼働させる行為はかなりハードウェアに負担をかけます。幸い私はファンの物理的故障ぐらいしか経験してませんが、最悪マシンを破壊するリスクがあることは理解してください(ただ保証期間内であれば不正な改造を行わなければメーカー保証は受けられると思います)。

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