COINBASEが上場申請の中で独自トークンに言及

先日少し触れましたが、CoinbaseのS-1 Formが、ナスダックへの直接上場に向けて公開されました。その中には、将来的に取引所トークンを発行する可能性があることを示唆する内容が含まれていたそうです。

The Blockの解説記事によると同報告書の68ページでは、リスク開示の一環として、Coinbaseは「事業の成長を支えるため」に追加資本を調達する可能性があると述べています。そのために、同社は "顧客報酬やロイヤルティプログラム "に結びつけることができるブロックチェーン・トークンの形をとることができる新株を発行する可能性が検討されているようです。

リスク開示のセクションで取引所トークンについて言及されていることは、Coinbaseがそのような具体的計画を持っていることを意味するものではありません。しかし、この項目が含まれていることは、ある程度の検討が内部で行われていることを示唆しています。また、FTXやBinance、Bitfinexといった他の競合取引所が追求してきた分野にCoinbaseが関心を持っていることを示しています。

取引所トークンは通常、トレーダーに取引手数料の割引を提供し、プラットフォームを使ってもらうインセンティブを与えます。証券としてどういった扱いになるかはこれまでも議論されてきました。

また、CoinbaseがKeystone Capitalという証券会社を買収したことも注目に値するでしょう。元Coinbase社員のアダム・ホワイト氏(現在はBakktの社長)はツイートの中で、Coinbaseが取引所トークンを作るのか?という疑問を投げかけました。

"これに注目し、他の取引所がどのように反応するかを見守るのは興味深いことだろう”とホワイト氏はツイートしています。

Coinbaseはこの件に関するThe Blockの問い合わせにコメントを拒否しているようです(まあ上場を控えた会社なら利益相反になるので当たり前ですね)。

恐らくSTOによるトークン販売を計画しているのでしょうが、米国証券法のルールにのっとるために適格投資家に限ってプリセールが行われるのではないかと予想しています(上場企業の場合はこれも回避可能?これはよくわかりません)。

発行後は他のトークン類と同様に一般販売が行われる可能性はありますが、SECのレスポンス次第でしょうか。少なくとも未登録証券とみなされることは避けるはずですので、面白い動きであることは確かです。同社はブロックチェーン技術の普及の旗振り役でもあり、株式上場も直接リスティングでIPOに伴う証券会社への多額の費用を避けていることから、これからも今までの既存証券や金融システムによらないフリクションレス型の経済実現に向けて切り込んでいくことを期待したいです。


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