DeFi研究 DeFi Llamaでの情報収集
はじめに
DeFi分野に参入するとものすごい数のプロジェクトが存在していることに驚かされます.もともとはETH基盤でのDappによって始まったDeFiの爆発的人気の上昇で現在のように様々なレイヤー1チェーンでDeFi関連のDappが立ち上がっていきました.
レイヤー1だけで分類するだけでも大変ですが,それぞれで立ち上がっているサービス全てを網羅するのはたぶんほとんどの人にとって不可能でしょう.今回はそういうカオスなDeFiの世界の情報を収集するのに便利なDeFi Llamaを紹介します.
DeFi Llamaとは?
公式サイトはhttps://defillama.com/で公開されています.各DeFiプロジェクトのTVL(Total Value Locked)アグリゲータ情報をオープンに公開するサイトを運営しています.
Uniswapの統計情報表示(Uniswap.info)と似たデザインを採用しており,各レイヤー1チェーン,TVL,トークン付与の有無などで分類して情報表示させることが可能です.
サイト情報のAboutを覗いてみると以下のようなミッション・ステートメントが書かれています
原文(英語)
Mission
DefiLlama is the largest TVL aggregator for DeFi (Decentralized Finance). Our data is fully open-source and maintained by a team of passionate individuals and contributors from hundreds of protocols.
Our focus is on accurate data and transparent methodology.
We track over 800 DeFi protocols from over 80 different blockchains.
日本語訳
ミッション
DefiLlamaはDeFi (Decentralized Finance)のための最大のTVLアグリゲータです.私たちのデータは完全にオープンソースで,何百ものプロトコルの情熱的な個人と貢献者のチームによって維持されています.
私たちの焦点は,正確なデータと透明性のある方法論にあります.
私たちは80以上の異なるブロックチェーンから800以上のDeFiプロトコルを追跡しています.
Githubのレポジトリ:https://github.com/DefiLlama
トークン価格のデータなどはCoinGeckoから取得しているようです.
では実際に使ってみて情報を取得してみましょう.
Ethereum基盤が他を圧倒
結論から言うとETHがまだ最大のシェアを誇ります.これは当然の結果でしょう.やはりオリジナルはどの分野でも強いものです(先行者利益ですね).ETH自体,現在はPoWからPoSへの過渡期でガス代高騰やスケーリングなどの問題で最近は他のL1チェーンにシェアを奪われていることが分かります.それでも現在のETHの占有率は56%を超えており圧倒的です.これから他のプロジェクトが伸びると思っている人たちもいますがこの状況はしばらく変化はないでしょう.他のレイヤー1チェーンがイーサイアムを超えるのは簡単ではありません.なぜなら様々なレイヤー2によるスケーリング問題が解決されていくこととETH自体もPoSへの大型アップデートが控えていること,レキュリティー面での実績で他を圧倒しているからです.いきなりETHの全ての問題が解決するわけではありませんが,ニッチな分野で他のL1チェーンは生き残っていくのではと予想しています(もちろんそこにかなりのチャンスが眠っている可能性は大です).
私が使っているサービスのうちUniswapはランキング上位(第7位)に入っています.最近勢いがあるOSMOSISはDefiLlamaのTVLランキングでは19位でまだまだ成長余地はありそうです.ACALAは立ち上がったばかりなのでまだ情報が見当たりません.Polkadot基盤では有一Astarのステーキングの情報だけがリストされていて,他のパラチェーンについてはこれから対応していくのだと思います.
エアドロップがもらえるプロジェクト候補
現在は独自トークンを持たないプロジェクトを探すこともでき,それらはエアドロップがもらえる可能性があります.私はOSMOSISを利用していますが,2022年2月から始めたにも関わらず,すでに2件ほどエアドロップのスナップショットイベントが発生し,トークン配布を待っているところです.税金などの問題や詐欺プロジェクトが多いなどエアドロップの世界はさらにカオスですが,デジタルゴミの中に宝が眠っているかもしれないので悪質なプロジェクトでなければ無料でもらえるので悪くないかなと思っています.ただ詐欺プロジェクトが多いので注意が必要です(エアドロップの条件でプライベートキーを要求されたらそれは100%詐欺なので注意してください).
別件ですが,MetaMaskの開発のDAOへの移行とそれに伴うトークン配布が行われるかもしれません.
こちらは昨年のENS並の注目イベントで今からどういった条件でエアドロップが行われるか詳細情報が発表されるのを待っているところです.たぶんMetaMaskをインストールしてウォレットを生成すること,Dappを接続して利用すること,Swap機能を使ったことがあるなどが配布条件になるのではないかと予想されています(まだ正確な情報ではありません).
BNBもバイナンスがBSCの開発をDAO化して切り離すのであれば再評価される可能性はあります.しかし良くも悪くもBinanceのCrypto業界へ与える影響力は強いので現在のユーザーがDAO化を望まないかもしれませんが…
おわりに
DeFiに限らず透明性のある正確な情報へのアクセスは投資先の決定に欠かせません.特にいまのようなDefi過渡期にあたる状況ではDeFi Llamaのようなサービスは非常に有用な情報収集ツールになると感じました.DeFiの分野はまだまだ成熟期とはほど遠い状況でリスクは高いですが,最悪のケース(資金のハッキングによる全損)さえ回避できれば高い利回りは魅力的でしょう.私はETH基盤のUniswapでもまだ全財産を突っ込む勇気は持てないので小規模なポジションから始めて積立方式で複利運用しながら増やす予定です.エアドロップ狙いでOSMOSISにも手を出してますし,今のところまったくランキング外のACALAへもEarly phaseテスターとして参加している状況です.各々違った狙いがあるでしょうし,投資先は自己責任のもと自分の投資戦略に沿った上で選んでいただければ良いかなと思います.
できれば、自分の利用しているDappについては直接データ取得をAPIによる行うのが理想的だと考えています.私は隙間時間を活用してUniswap V3に関しては情報取得と流動性提供のプライスレンジ最適化に取り組んでみたいと思っているところです.
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