Coinbase OneとLiteCoinのMimbleWimbleアップデート
Coinbase Oneのベータ提供開始
今朝のことですがCoinbase Appを開いたら案内状が届いており,CoinbaseOneという新しいサービスを限定公開で提供している内容でした.調べてみると,ベータ版のサブスクリプションサービスで以下のような特典が受けられます.
- 100万ドルまでの不正出金による被害補償
- 24時間の優先サービス
- 取引手数料無料
サブリスクリプションの契約と解約はいつでも行なえて月額29.99ドルのプランになります.これを高いと思うかは人それぞれだと思いますが,一般的なFDICによる銀行や証券口座の保険は最大100万ドルでほぼ同等の預金保険が受けられることと24時間の専用優先サービスが提供されることを考えると悪い選択肢ではありません.
これで一般の銀行預金や証券口座と同等のセキュリティーを担保しつつ暗号資産を安全にCoinbaseプラットフォーム上で保持することが可能となりました.取引手数料が無料になるのは今の主流で将来的に取引手数料を収益源にするモデルは成長限界があることから今回のサブスクプランの提案になったのでしょう.Coinbaseはいままで大きなハッキング事件を起こしていない取引所の一つで上場企業であることから伝統的な金融分野をDeFiなどと繋げる上で重要な存在でしょう.
もちろんこういった保険部分はこれからDeFiなどで解決されなければならない課題のひとつで完全分散化されて中央管理者を介さない場合でもスマートコントラクト上で保険契約と執行を実現されるのが理想ですが,こういったCeFiによるサービスは過渡期の妥協策としてありだと思いました.
私は早速申し込んで,BlockFiからの大部分の資金を引き上げる予定です.ETHに関しては一部はいつでも動かせるようにVault口座へ保存,残りのほぼすべてはETH2.0に移動させることを決断しました.BTCは担保にしてUSDCをCoinbaseの貸し出し機能で借り入れようかと計画しています.WBTCにスワップしてAAVEという手もありますが,トークンスワップはたとえラップドトークンでも課税イベントと見なされる可能性が高いのでCoinbaseの貸し出しサービスが一番自分の状況には合っているのかなと考えています.
ちなみに私はCoinbaseの株式も保持しています.上場企業として見た場合,取引手数料による収益モデルは限界を迎えるのは明らかで,今回のサブスクサービスは株式投資家からも評価されるのではと考えています.私は暗号資産中心なのであまり買い足す予定はありませんが,PERも成長株の割にはかなり低いのでCoinbase株(COIN)へ投資するのも悪くなさそうです.
LiteCoin MinbleWimble実装が完了
LiteCoin FoundationのアナウンスによるとMimbleWimble 拡張ブロックがLiteCoin Core 0.21.2リリースに加えられました.これはQuarkLabによるセキュリティーとコード監査を完了した結果で数年間に渡る開発成果がやっとリリースされるようです.
Mimblewimble Extension Block (MWEB)が利用可能になったことで、ライトコインコミュニティはシグナリングを開始する時が来ました.LiteCoinマイナーは完成コードを受け取ったら、すぐにMWEBのアクティベーションのための署名を始めることができます.一定の閾値を満たすとアクティベーションの日付が固定され,その結果MWEBが稼動することになります.
以下は発表文の一部を翻訳したものです.
https://litecoin-foundation.org/litecoins-pivotal-mweb-upgrade/
このプロセスは,BIP8を介して行われます.各ブロックには”バージョン”フィールドがあり,マイナーはこれを使ってソフトフォークに’投票”することができます.マイナーは'バージョン'フィールドの一部を使って、MWEBの起動をシグナリングします。
8,064ブロックごとに新しい "ウィンドウ "(投票期間)が開始されます.各ウィンドウの終わりに,ノードはある機能のシグナルを出したブロックすべてを集計し,その合計が定義された閾値を満たしていれば,MWEBは次のウィンドウで起動するよう“ロックイン”されます.LiteCoinの場合,閾値は6048ブロックまたはウィンドウ内のブロックの75%と定義されています.
MWEBの主要開発者であるDavid Burkett氏(Litecoin Foundationがスポンサー)は、このアップグレードによりLIteCoinが世界で最も健全な通貨の一つとして位置づけられると考えています. “MWEBはライトコインの進化における重要な次のステップです。MWEBが提供するオプションの機密性により、ユーザーは小さな日常品から給与、あるいは家の購入に至るまで、注目すべき必要な保護を受けることができます”とBUrkett氏は語っています。
LiteCoinの生みの親であるCharlie Leeは、”MWEBの計画、開発、そして今回の稼動は、世界中のライトコイン支持者からの複数年にわたる寄付から始まり、プロジェクトを率いたDavid Burkettの献身的な努力と詳細への配慮によって完成した、真のコミュニティの努力によるものです”と付け加えました.また、LiteCoin改良案を作成したAndrew Yang氏、Hector Chu氏の重要なコードレビュー,テストネットノードの監査、助言、実行を行った無数の人々など、主要な貢献者が関わっています.このプロジェクトは、LiteCoinコミュニティの回復力と継続的な成長を証明するものです.
これからの展望
LiteCoinは長い間低迷というか横ばいの状態でしたが,このMWEBのニュースに反応して久しぶりに価格は上昇トレンドに移りました.記事執筆時点で121ドルを超えたところで,今回のアップデートを投資家が評価していることを示しています.
MimbleWimbleはユーザーが取引記録を匿名化する機能でパブリックブロックチェーンの問題を解決する一つの方法です.企業や個人がこれまでパブリックブロックチェーンを利用する場合すべての取引記録が公開されてしまい秘匿性が求められる取引記録は非公開にしたいなどのニーズが存在していました.今回のMWEBの実装でLIteCoinではまもなくユーザーが取引記録のプライバシー保護が可能になります.
今回のアップグレードはLiteCoin Core 0.21.2 に含まれる予定でセキュリティーとTaprootのアップグレードも含まれる予定です.
個人的にはLiteCoinもなんとなくまだHODLしている状態ですが,今回のMWEBリリースのニュースによって資産価格はまた上昇を始めて嬉しいです.取引手数料も安く比較的取引スピードも速いのでこれからもLiteCoinは存在してくと考えています.
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