GPUのETHマイニングパワー効率の比較

 はじめに

マイニング報酬がガツンと下がって落胆している人たちもいるかもしれませんが,良くも悪くもETHの開発遅れのおかげでまだまだ北米ではETHマイニング採算性は良い状態です.自分が住んでいる地域の電力料金が比較的安い(6.6 cent/kWh)ということもありますが,オレゴン州などではさらに安い値段の場所も存在しているようです.さて強気相場の後半になるとマイニング参加者が増えた結果ハッシュレートが上昇し採算性がどんどん悪化していくのは事実です.さらに最後には市場価格のクラッシュなどで価格の急激な下落は避けられないのは前回2018年の相場が教えてくれていますが,ここで振り落とされないためにはマイニングのハッシュレート当たりの効率が重要になってきます.ネットで調べてもただ単に適当なカタログスペック値を拾い集めた記事が多いので自分のこれからの投資計画の基礎データにもなるので手持ち主要機材のE T Hマイニングのパワー効率を計算してみました.

ハッシュレートパワー効率の比較

 ほぼHiveOS上で表示されているデータを使っているのでAMD系のカードではやや高めの数字が出ているかもしれません.計算結果は以下のとおりです.


現状ではなんと昨日購入したRX6800が最も効率の良いカードということになっています.ただしAMD系はワット数のソフトウェアでの表示値と実際の消費電力との誤差が大きいのでほぼRTX3070 non-lhrと互角と思って良いでしょう.
パワー効率が一番悪いのは当然の結果ですが,RTX3080 LHRのカードになります.しかも実際はハッシュレートとパワー共にかなりばらつくので平均するとさらに上記の値より低いと思われます.健闘しているのはRadeon Vega系のGPU(WX8200, Vega64)でこちらはHiveOS上でメモリタイミングをゴリゴリに最適化したのでHBM2の真価が発揮された結果でしょう.CMP170HXでもHBMを採用しているようにメモリ帯域が効いてくるETHのハッシュアルゴリズムでは,HBM2搭載カードは古い世代でも健闘しています.もっとHBM2eやHBM3が民生品でも普及していれば今頃Radeonは最強のマイニングカードとして君臨していたかもしれません.HBMはシリコンインタポーザーが必要だったりパッケージングのコスト面でGDDR6に敗れてしまって残念です(まだ復活する可能性はありますが)。あと私は保有していないのでベンチマークできませんが,RTX 3090もそれほど電力効率は高い方ではないはずです.ビデオメモリにGDDR6xを採用しているので電力効率の悪さとチップ自体電力密度が高すぎて電源周りの設計がトリッキーなのが効いているのかもしれません.ちなみにCMP170HXは現在最高効率のマイニング専用カードですが,マイニング以外には全く利用できない設計になっているのでマイニング業者しか恩恵に与れないでしょう.そもそも5000USDもするので個人で買うのは相当な資金力がある人に限定されるでしょう.私なら同じ値段出すなら他の用途にも応用できるRTX A6000のカードが欲しいです.
ちなみにNavi系のRX5700xtと同等性能であるw5700のパワー効率はかなり優秀です.このカードはこのまま手元に残して運用していく予定です.この結果からrx6800, RTX3070 non-LHR, RX5700xtはまだまだハッシュレート当たりの電力効率で競争力があるということになりました.RX580とVega系のカードはタイミングを見て順次新しいカードを購入,置き換えを進めていくつもりです.ただRX580に関してはまだまだゲームや実験機のテストには使えるのでファンの交換とサーマルグリスを付け直して予備用として確保しておくかもしれません.

おわりに

C P Uマイニングはすでに雀の涙ほどしか掘れなくなっていますが,GPUマイニングはまだまだ採算性が高い状態です.幸い自分のマイニング設備規模だと電気代を払い続けるのは全然問題ない範囲なので,税金対策など勘案しながら今年も継続してマイニングを行うつもりです.個人的には広めの家に引っ越して,ベースメントとガレージ当たりに追加で数台のマイニングリグを稼働させたいのですが,住宅価格の値上がりが今は凄まじくしばらくは様子見の状態で行こうかなと考えています.


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