ETH mining benchmark on Radeon Pro WX8200 Part2 (HiveOS)
以前紹介した記事で,Radeon Pro WX8200を入手してベンチマークした結果を報告しました.しかしWindowsではドライバの制限で最適化がほぼ不可能でしばらく放置していました.北米では秋になり気温がだいぶ落ち着いてきたこともあり予備リグの再稼動前に今更ながらHiveOSの力を借りて最適化を試みました.
Hive OS導入については他サイトで日本語でも詳しい解説があるのでここでは取り扱いません.安定性に問題はあるものの中々便利なツールであることは確かです.ちょうどエンジニアリングサンプルの無印のVega64がメインマイニングPCから外してあったので,WX8200と一緒にRyzen9 3900のシステムに組み込みテストベンチで動作と設定を行なってみました.
使用したのはお馴染みのTeamRedMinerで,これはHiveOSにデフォルトで組み込まれています.最適化方法は簡単な,コアクロック,コア電圧とメモリクロックを調整する方法で行いました(+メモリタイミングの最適化).ベンチマーク結果は以下の通りです.
結果から説明すると,あっさりとWX8200のコアクロック,コア電圧とメモリクロックの調整ができています(1050MHz, 850mV, 1000MHz).ECCメモリなので,メモリエラーへの耐性はかなり高いので、メモリクロックは簡単に1100MHzまで設定することが可能でした.その場合のハッシュレートは45MH/sで消費電力はそれほど上昇しなかったのでかなり優秀です.現状はメモリクロックを1000MHzに戻して消費電力100Wで41MH/sで動作させています.
Vega64はHiveOSのOverview画面からSamsung製のHBMメモリを搭載していることがわかります.メモリタイミングをここではネットで見つけた推奨設定に変更しました.設定は以下の通りです.
amdmemtweak --CL 20 --RC 44 --RP 14 --WR 14 --CWL 8 --FAW 12 --RAS 30 --REF 17000 --RFC 249 --RTP 5 --RRDL 6 --RRDS 3 --WTRL 9 --WTRS 4 --RCDRD 14 --RCDWR 12
上記の設定は,Hive OSにデフォルトで表示される推奨設定とは微妙に異なっており、恐らくやや妥協した設定のようです.ちなみにHiveOS推奨のデフォルトを設定すると見事にクラッシュしました.現状でメモリ温度が高いので,クロックを下げてテストしているので,大体40.8MH/sが得られています.こちらはさらに最適化をすると50MH/sぐらいまでいけるという報告がされていますが,安定性が少し疑問です.
ここでは,XMRigを同時設定して,Ryzen9 3900xでCPUによるXMRの同時マイニングも行っています.まだ使い始めたばかりなのでどれぐらい安定的に動くか数日かけてテストしてみる予定です.Vega64は元々エンジニアリングサンプルなので,機会が有ればさらなる最適化のためにVega56のBIOSを書き込んでテスト出来たらと思っています.WX8200はHynixのメモリ用のメモリタイミングを書き込もうとしましたが,そちらは失敗しました.こういったプロ用のGPUでマイニングテストを行っている例は少ないので設定はいつも手探りです.しかし,今回のテスト結果から,ebayでVega64系のGPUが高値で取引されているか分かった気がします.今回はHive OSの力をかりてなんとかWX8200の消費電力の削減とマイニングパフォーマンスの最適化に成功しました.
追記−10月3日
その後,冷却用の予備ファンを追加して再設定を行った結果が上の通りです.Vega64,WX8200共に46MH/sで安定して動いています.あとで気づいたのですが,何故かWX8200はWX8100と認識されています.動作に問題は起きていないので特に気にする必要はなさそうです.消費電力はほぼそのままなので,予備ファンの効果もあってGPUの表面温度も直接触っても室温より少し高いぐらいになりました.
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