もう取引所のGox被害にあわないために,DEX(分散型取引所)のすすめ

CoinCheckでのNEM流出,BitGrailでのNanoの不正引き出しなど従来型取引所のハッキングが最近相次ぎました.もちろん取引所側のセキュリティーの甘さが事件の一要因であるのは確かですが,今回のハッキング事件の数々でまた中央集権型の取引所のリスクが浮き彫りになったのではないでしょうか.
大量の取引処理し十分な流動性がある中央集権型取引所は大きな魅力ではありますが,たまにはDEX(分散型取引所)も利用してみてはいかがでしょう.
DEXでは秘密鍵を自己管理下で取引きを行うので,取引所でハッキング被害にあうリスクは限りなくゼロになります.現時点でDEX最大の欠点は流動性がないことと直接的なオンチェーン取引によって手数料がかかることです.
例えば,ERC20トークンのETH取引が可能なEtherDeltaはすべての処理(オーダーや資金の出し入れ)をEthereumオンチェーン上で行われるため手数料が多くかかり,取引速度も非常に遅いです.
もちろんこの問題を解決するために様々な開発が行われています.今回はその中のひとつ0x projectとそのトークンを紹介します.


0x Project とは?

“Off-chain order relay with on-chain settlement”という一文で表されるように,売買情報のやりとりはオフチェーンで行われ,取引の約定はオンチェーンで行われるということです.オーダーブックは”リレイヤー”が管理し,売買情報を中継することで取引を成立させます.オーダーブックだけはリレイヤーが集中的に管理するのでその見返りとして取引手数料を与えることでシステムを維持できるよう設計されています.また0x プロトコルで使われるトークンも発行されており,現在の市場規模は以下の通りです.


現在, 0x protocolを利用しているリレイヤーは,EthfinexやRadarRelayなどがあります.
RadarRelayを早速使って0xトークンの取引を行ってみましたが,たしかに取引手数料はEtherDeltaよりかなり安くGUIデザインも洗練されているようです.利用するにはEtherDeltaと同様にMetaMaskなどを経由する必要がありますが,これからの発展が期待できそうです.

将来性は

0x Projectの立ち上げメンバーはCoinbaseの元従業員であり, もしかしたらGDAXでERC20トークンを扱う場合に採用されるのではないかと噂されています.たしかに流動性以外はGDAXへの上場条件を満たしているのでもしかすると今年後半にかけて0xトークンの需要が増える可能性はあります.私は小額ですが,マイニングで獲得したETHの一部を0xトークンに投資しています.

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