中国の取り締まり後、OTCでUSDTの対人民元売りが強まる
ニュース要約:
中国では暗号資産取引の取り締まりが強化されているため、一部のリテール投資家はUSDTを人民元に変えるためにOTC取引の活発化が主要な取引所であるHuobi, OKEx, Binanceで確認されています.9月25日時点で1USDT当たり6.19元が掲示されており、これは外国為替市場でのレートである1USD=約6.47人民元に比べて4.3%のマイナスのプレミアムが生じていることになります.これまでのところ、Huobi、OKEx、Binanceは、人民元のOTC市場に関して何の動きも見せていません.
解説:
中国政府が国内での暗号資産関連サービスを先週末すべて違法扱いにしたため中国本土のユーザーは必死に保有資産をUSDTに変換して人民元へのキャッシュアウトを行っているようです.
ステーブルコインであるUSDTは本来なら外国為替市場での取引相場との乖離を最小限に抑えるように設計されていますが,OTC市場では、-4.3%のプレミアムを払ってでもキャッシュアウトしようとする状態のようです.今のところOTC取引を提供している大手3社(Huobi, OKEx, Binance)は目立ったアクションは取っていないようです.
2017年9月にも中国政府による暗号資産への取り締まり強化が発表され市場が動揺しましたが,今回はそれの再現のようです.ただし今回の通達内容に一切の曖昧さが無く全面的に暗号資産に関する全ての活動を禁止する方針のようです.しかし中国人民元建てでの取引はすでに限定的であるので,暗号資産市場は徐々に平穏を取り戻していくでしょう.
全訳文:
USDT sell-off against yuan intensifies on crypto OTCs after China's crackdown
中国では暗号資産取引の取り締まりが強化されているため、一部の個人ユーザーは怯えてUSDTを暗号取引所の店頭市場(OTC)で販売しているようです。中国が強化策を発表してから1日も経たないうちに、Huobi、OKEx、BinanceのOTCマーチャントでUSDTを中国元に対して売買する際の相場が1USDTあたり6.2元を下回りました。
プレスタイムの時点で、中国の暗号ユーザーを対象とする3大取引所のマーチャントは、1USDTあたり6.19元前後の相場を掲載しています。暗号取引所Huobiの業者は、1USDTあたり6.12元の相場を掲示しています。
The Blockが見た過去のデータによると、中国が強化措置を発表する前、これらの取引所の相場は1米ドル=6.37元を超えており、米ドルと中国元の為替レートに比べて、すでに1.5%のマイナスのプレミアムがついていました。
しかし、この1日でマイナスのプレミアムは拡大し、現在は4.3%となっています。外国為替市場では、1米ドルは約6.47人民元に相当します。
中国人民銀行は、9つの政府・司法機関とともに、今回の取り締まり声明で、すべての暗号資産関連サービスを違法扱いとし、その中には、ユーザーに法定通貨と暗号資産を交換させるサービスも含まれているとしています。
これまでのところ、Huobi、OKEx、Binanceは、人民元のOTC市場に関して何の動きも見せていません。中国のユーザーにとって、OTCマーチャントを通じたピアツーピア方式は、現在のところ、法定通貨での暗号資産取引に資金を供給する唯一の方法であり、キャッシュアウトするための唯一の方法でもあります。
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