ETHマイニングTeamRedMiner 最適化編(v0.8.5)
前回までは簡単なTeamRedMinerの設定方法を説明しましたが、最近のバージョンアップ(v0.8.5)でWindowsマシンでは,直接GPUのオーバークロック設定が可能になりました.ここではBIOSの改編無しでメモリとGPUのコアクロック電圧のみを調節する例を紹介しようと思います.
まずGITHUBで公開されている最新版v0.8.5をダウンロードしてアーカイブを展開します.その中に含まれているCLOCKS_VOLTAGE_CONTROL.txtの覗くと以下のオプションが新たに追加されたのが分かります.
GPU一枚だけの例では、以下のように指定します(RX5700xtの例).
--clk_core_mhz=1250 --clk_core_mv=780 --clk_mem_mhz=900 --clk_mem_mv=1300 --
clk_timming=1
上記の例では、GPUのコアクロックを1250MHz,コア電圧を780mV,GDDR6のメモリクロックを900MHz (1800MHz),メモリの電圧を1300mV、クロックタイミングはFastを指定しています。
複数枚のGPUが搭載されているシステムでは、comma区切りで各GPUのパラメータを指定します。私の環境では、RX5700xtが3枚(GPU0,GPU1,GPU3),RX580が一枚(GPU2設定はしない)の例を示すと以下のようになります.
--clk_core_mhz=1250,1150,,1200 --clk_core_mv=780,780,,780 --clk_mem_mhz=900,850,,900 --clk_mem_mv=,1300,,1300
私の環境では、GPU1がPCIーEの16レーン接続でグラフィック出力にも使っているので、負荷がかかるので、コアとメモリのクロック周波数を下げて使用しています.RX580は何故かオーバークロック指定をするとエラーが起きるので,MSIのAfterburnerで設定しています.
実際に使う場合は,以前のバッチファイルに最後尾に付け加えて上げれば良いだけです.
teamredminer.exe -a ethash -o stratum+tcp://us1.ethermine.org:4444 -u "Ethアドレス".rig1 -p x --watchdog_script --auto_tune=SCAN --enable_compute --clk_core_mhz=1250,1150,,1200 --clk_core_mv=780,780,,780 --clk_mem_mhz=900,850,,900 --clk_mem_mv=,1300,,1300
GPUもバッチやメーカーごとに微妙な違いが存在するので,OC耐性が高いものや,ハッシュレートにもバラツキが生じます.安定運用するには個別に最適化値を見つけてあげる必要があるのでそこは自分も模索中です.RX580についてはAMD Memory Tweakでさらにメモリタイミングを調整する必要がありそうです.Vega64やRadeonVIIの場合にはHBM2のメーカーごとの設定値があるので,手元にある場合はメモリタイミングの最適化を行うとハッシュレート向上や電力消費の低減が期待できます.
複数枚のGPUを同時運用するとMSIAfterburnerなどで設定を行うと結構面倒なので,今回のバージョンアップでbeta版とはいえこういうクロック指定ができるようになったのはありがたいです.Big Naviのカードのために実装された機能のようです.機会があればAMD Memory Tweakを組み合わせた最適化方法も次回以降に紹介できるよう実験してみようかなと考えているところです.ちなみにこういう面倒な設定をいちいち気にしたくない場合は,マイニング専用OSであるHiveOSなどを使う方法もあります.私は試験導入してみましたが,安定性が悪いのと突如として設定ファイルが壊れたのでまたWindowsに戻って色々試しているところです.
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